「負けに不思議の負けなし」    なぜ買っていただけないかを考えよう | 営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

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3K(勘、経験、気合)で語られる営業ではなく理論的に体系だった手法により、第一線のセールスのスキル向上とともに適切な部下の指導や業績管理を行い会社に貢献できる管理職、経営者の一助となる。

ノムさんこと名将野村克也元監督に「負けに不思議の負けなし」という本があります。

この言葉は「勝ちに不思議の勝ちあり」という言葉と対になっています。
その意味は、「ラッキーで勝つことはあっても、アンラッキーで負けることはない。負けるのには必ず理由がある」ということです。

これを営業にあてはめてみると、「ラッキーで売れることはあるけれども、売れないのには必ず理由がある」ということかと思います。

巷には「このようにして私は売った」という内容の本は多く出ていますが、「なぜ売れないか」についての本はあまり見当たらないように思います。また本に書いてあるトップセールスマンの方法を実行してみたけれども売れなかったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

皆さんは商品を「売り込む」のに必死になっていませんか。
その発想は逆なのです。いわゆる「プロダクトアウト」という考え方にとらわれています。
人間というものは基本的には何かを手に入れることにある種のパワーを感じています。ものを買うことによってプライドを感じエゴを満足させます。買わない(買えない)のは何らかの阻害要因があるからです。宝くじにあたり1億円が手元にあれば売り込まなくても本当に色々なものを買うでしょう。
したがって「売り込む」のではなく「買っていただく」という発想に頭を切り替え、さらに具体的にはお客様の立場に立って購買という行為にたいしてどのような阻害要因があるかを明らかにし、それを解決克服していくことが重要です。

すなわち「なぜ買っていただけないか」を分析して明らかにすることが重要なのです。

とは言うものの、言うは易く行うは難しのようです。
かつて、なぜ買っていただけないかの分析を部下にさせてみると、「口下手だから」とか「プレゼンが下手だから」、「値段が高いから」、「会社が無名だから」とか色々と言い出しました。でもこれって論理の飛躍があると思いませんか。「口下手 → 買っていただけない」って1ステップではつながらないでしょう。これでは対策をたてようもありません。

実は皆さんは「なぜ買っていただけないか=購買の阻害要因」の分析の手法、メソドロジーを教わったことがないのです。教わってもないことができるのは、ごく一部の素質に恵まれた人だけです。普通の人は教わっていないことはそうそうできるものではありません。ですからこのようなメソドロジーを学ぶ必要があります。

メソドロジーにはいくつもの考え方があります。したがって私がこれから述べることは唯一無二のものではありません。しかしこれから述べるメソドロジーを採用して私自身や部下たちが実績を挙げたのは紛れもない事実です。

それは、購買の阻害要因は「四つの不」にある、ということです。
「四つの不」とは
   「不信」
   「不要」
   「不適」
   「不急」
です。

次回からこれを詳しくご紹介していきます。