営業のロールプレイについてお話します。
多くの営業部隊ではロールプレイを行ってスキルアップを図っています。
私もこのブログで中盤の力をつけるためにロールプレイは重要と述べました。
でも「ロールプレイなんて役に立たない。実際のお客様ではロールプレイのようにはいかない。」という声を多くの営業の方から耳にします。
私もその声は否定しません。なぜなら役に立たないと思うロールプレイをよく見聞きするからです。
一体何故多くのロールプレイが役にたたないのでしょうか。
よく見かけるロールプレイはお客様へのコンタクトや商品説明を行い、お客様の反論に対してのいわゆる「切り返しトーク」に励んでいます。
ここまで私のブログを読んできた頂いた方には想像がつくかと思います。
このようなロールプレイは「売らんかな」ばかりで、お客様がどういった方でどういった状況にあるかということを無視しています。
これまで私が紹介してきた項目を思い返してください。
阻害要因(四つの不) 4通り
購買性向 3通り
段階(序盤・中盤・終盤) 3通り
キーパーソン 5通り (4種類 + キーパーソンでない)
これを単純計算すると、4×3×3×5=180通りの組み合わせがあります。
これを同じトークでいいと思いますか?
ある営業ロールプレイについての本を読んだらこんなことが書いてありました。
「カモネギ」で絶対に売れるケースだとして、「ホームページを見て問い合わせがあり、説明を聞きたいとの要望があった。電話でアポを取るとすぐにアポが取れた。」と。
これを「カモネギ」だと思いますか。
私はこの本を書いた人に本当に営業の経験があるかどうか不思議に思います。全くの素人判断です。
私が購買性向の金銭的価値についてお話した時に少し例をあげましたが、ただただ安いものが欲しいので合い見積もりを多くとるお客様がいます。こういったお客様はベンダーに対して自分からコンタクトをとり、とても愛想よく、時間は取っていただけるし、話もよく聞いて頂けます。でも買っていただけることはごく稀です。「カモネギ」とは正反対です。
このようなお客様にロールプレイで練習した商品説明の営業トークをしたところで買ってはいただけません。
大事なのはお客様がどういう方で、今どういう状況であるかをまず知らなければなりません。
序盤の段階で相手がキーパーソンか誰かもわからず、阻害要因も全く分かっていない時のお話と、終盤の契約間近でデシジョンメーカー(決定者)に契約をお願いするお話とでは全く違います。
私が行うロールプレイはこれを聞き出し、確認する練習です。
お客様を知り、それから対策を考えましょう。まずはお客様を知ることが最重要です。
そうでなければ180通りのロールプレイを想定して練習に励むことですね。毎週1回欠かさずやったとしても3年半かかりますが。
次回は私が実際にどのようなロールプレイを指導してきたかについて書いてみます。