営業をやっていると上司や経営者から色々と叱られませんか。
「何をチマチマやってんだ。もっと大きな商売を取ってこい!」とか「細かい点までもっと気を配れ!値引きを1パーセントするといくら利益がとぶと思っているんだ!」とか相矛盾するようなことをよく言われます。
営業の心構えについての質問をよく受けます。しかし、上に書いたような大胆で細心といった相矛盾することを含め、一般論として語るにはあまりにも複雑で答えに窮します。
しかし、私は案件がどういう段階にあるかによってポイントは大体決ってくると考えています。
案件ごとに序盤、中盤、終盤と分けて考えます。
ゴルフで言えば、序盤はティーショット、中盤は2打目からグリーンに乗せるまで、終盤はグリーン上のパットにあたります。
囲碁で言えば、序盤は布石、中盤は戦い、終盤はヨセです。
営業の案件で言えば序盤は案件の発掘とアプローチ、中盤は商品やソリューションの説明、終盤は価格や納期の交渉、といったところです。
ゴルフを考えてみましょう。
ティーショットを200メートル飛ばすとして、左右に10メートルぶれるのを気にしますか?
そんなに気にしないでしょう。仮にぶれたとしても影響はそんなに大きくはありません。
でも2メートルのパットで10センチはずすとどうなるでしょう。(比率はどちらも200対10です)
まず1打損しますよね。
次に囲碁を見てみましょう。
終盤のヨセの段階では、プロはもちろんアマチュアの有段者ならこの手は3目の手、この手は2目の手などと細かい単位で比較して最善の手を探して打っていきます。
ところが序盤の布石では1手の価値は10目あるいは15目などもありますが、あまり1目2目にはこだわりません。それよりも厚みといった漠然とした将来役に立つであろう形とかに留意します。
この二つのたとえでお分かりかと思いますが、序盤は大胆に大きな構想を持って、終盤は細心の注意を払って、というのが鉄則です。