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• ・茂りあふ　さくらがしたの　ゆふすずみ　春はうかりし 風ぞまたるる
• ・来むと言ふも　来ぬ時あるを　来じと言ふを　来むとは 待たじ　来じと言うふものを
• 大の字に　寝て涼しさよ　淋しさよ
• ・年のはに　かくも見てしか　み吉野の　清き河内の　 たぎつ白波
• ・春日山　朝立つ雲の　居ぬ日なく　見まくの欲しき 君にもあるかも
• ・父母が　頭掻き撫で　幸くあれて　言ひし言葉ぜ　 忘れかねつる
• ・都だに　寂しかりしを　雲はれぬ　吉野の奥の 五月雨のころ
• ・思ふこと　なくて見まほし　ほのぼのと　有り明けの月の 志賀の浦波
• ・待つ我は　あはれやそぢに　なりぬるを　あぶくま川の とをざかりぬる
• ・おほわだ波　うちあがり　岩をのりこゆる　そのくりかへし 心に沁む　
• ・花見ると　家路におそく　かへるかな　待ちどきすぐと 妹いふらん
• ・枯れはつる　藤の末葉の　かなしきは　ただ春の日を たのむばかりぞ
• ・隼人の　薩摩の瀬戸を　雲居なす　遠くも我れは 今日見つるかも
• ・池水に　やどれる月は　それながら　ながむる人の かげぞ変れる
• ・片岡の　杜の木かげに　立ち濡れて　　待つとも知らぬ ほととぎすかな
• ・身をしれば　うらむることも　なけれども　恋しき外に 袖もぬれけり
• ・一とせの　過ぎつるよりも　たなばたの　こよひをいかに 明しかぬらん
• ・ふくる夜の　川音ながら　山城の　美豆野の里に すめる月かげ
• ・ほととぎす　聞かで明けぬる　夏の夜の　浦島の子は まことなりけり
• ・亡き母や海見る度に見る度に

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