大人バレエと衣装について思うこと。
今週は先週の続きのお話です。
先週の記事はこちら↓
先週は、
"同じように１０年バレエを習ったとしても
大人と子供とでは舞台でもらえる役と
着ることが出来る衣装が
実はかなり違う"ということ。
"サクラバレエでは大人も努力すれば
主役を踊ったり衣装を着る可能性があり、
なぜそうしているのかというと
“大人も努力が報われて欲しい”
“大人も大きな目標を持って
レッスンししてもらいたい”
そういった私の想いがあるから、
というお話でした。
そして衣装選びでの大人バレエの
悩み・・。
簡単に言うと、
"大人が着られる衣装は
種類と数が限られている"
ということです。
バレエ衣装はさまざまな調達方法があり、
裁縫が上手な人は自分で作ったり、
お店でフルオーダーするといった方法も
あるのですが、
一般的なバレエ教室の発表会では
衣装屋さんからレンタルします。
素敵な衣装がたくさんあるのですが、
メインはやはり子供向けなんです。
もともと日本のバレエは
子供たちの習い事が主流でした。
ですから発表会も子供たちがメイン。
お店というのは顧客のニーズに
応えながら運営していますので、
お衣装も当然子供向けサイズが
メインでした。
ですから大人サイズのお衣装も
あるにはあるのですが、
「素敵！」「イメージにぴったり！」と
思ったお衣装の大人サイズが
そもそも作られていなかったり、
あっても数が少なかったりします。
先週お話ししたとおり、
大人は貴族の役やコールドが多いので
そういった役のお衣装は大人サイズが
豊富にあるのですが、
主役・準主役・ソリスト級になると
グッと数が減ります。
だって、普通のバレエ教室では
大人がこれらを踊ることはほとんどない
ので当たり前なんです。
ただ、ここで悩ましいのが
数少ない大人向けサイズのお衣装も
実はデザインが大人向けであるとは
限らない、ということなんです。
どういうことかと言うと、
これらのほとんどが
高校生が着ることを想定して
つくられているのだと思います。
高校生は身長など、サイズ的には
大人とほとんど一緒なのですが、
高校生に似合うデザインと
大人に似合うデザインって
やっぱり違うと思うんですね。
また、大人と言っても、
ファッション雑誌で考えてみても、
18歳に読む雑誌と
20歳に読む雑誌と
25歳、30歳、40歳で読む雑誌って
違うと思うんですよね。
それってつまり、
"似合うものが変わってきている"
ということ。
だから、たとえば同じ
キトリやジゼルの衣装でも
それぞれの年代で似合うデザイン
って変わると思うのですが、
ほとんどのレンタル衣装の
主役クラスのお衣装って
普通のバレエ教室では
一番お姉さんの高校生が踊ることが
多いですし、コンクールに一番出る
のも高校生だと思いますので
やっぱりそういったデザインである
ことが多い。
逆に大人に似合う主役クラスの
お衣装はプロのバレエ団所有の
お衣装なんだろうなと思います。
ですから、大人の場合は
お衣装選びも一苦労なんです。
・作品のイメージにあうか
・着る人のイメージにあうか
にプラスして、
・着る人の年代にあったデザインか
も重要になってきます。
もちろん踊る人の努力で
スタイルを役の年齢に
近づけたり、メイクや
立ち振舞いを研究して
「どんな衣装も似合います
」
という状態でいることは大切ですが
プロでもなく、
仕事・家事また、人によっては
育児・介護をこなしながら、
時間をやりくりして
レッスンに通いながら、
さらにこれらを頑張るのは
いつでも、誰でもはむずかしい。
そうなると 、頼れるのは。
プロの力です✨
そのあたりは、レンタル衣装の
スタッフさんが詳しいですし、
また実際に衣装を手に取って見られて
いますので相談したり、
教えてもらったりしながら
衣装を決めていきます。
昔は生徒に選ばせてあげることも
多かったですが、
最近はやはり舞台衣装は知識のある人が
選ぶことが、踊る人にとっても良いこと
だと思うようになりました。
とはいえ、"悩ましい"なんて言いながらも、
やっぱりバレエのお衣装選びは
楽しく、気分が上がります。
うちの生徒がこのお衣装を着て、
こんな風に踊ったら
めっちゃ良いやん
ぜったい素敵やん
って思いながら
でも早くしないと良いお衣装は
予約がどんどん埋まってしまうので
毎回めちゃくちゃ急ぎながら
選んでいます。
今は大人向けのコンクールなども増え
大人に個人でお衣装を貸し出してくれる
衣装屋さんも増えましたが、
全幕のお衣装が揃うところは
限られているので、
もっともっと大人でバレエ人口が増えて
選択肢が沢山増えると良いなと
思っています。
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