毎週水曜日連載中の『教えて!サクラバレエ』シリーズ。
今週は、前回記事“動画を見すぎるリスクについて③”の続きからです。
ちなみに、前回の記事はこちら↓
前々回の記事はこちら↓
一番最初の記事はこちら↓
◇
前回は、“インターネット上やワークショップなどで気になる情報があって、レッスンで試してみたい場合は、先生に聞いてみれば良い”“バレエの先生は主治医のようなものなので、先生以外から情報を得た場合は、先生に聞いてみるのが一番間違いがない、”というお話でした。
そしてこの、“生徒が先生に相談する”ということはとても大切で、生徒だけでなく、先生にもメリットがあるのです。
例えば、前回いくつか生徒からの相談例をあげましたが、相談してくれた結果がどうなったか、ということをお話ししますね。
※相談例は、個人が特定出来ないように、シチェーションを事実と少し変えています。
相談例1
生徒の質問:「先日、新しい整体に行ったら、「あなたの筋肉は〇〇だから□□した方が良いです。」って言われたのですが、先生から見て、この整体師さんの言われていることについてどう思われますか?」
私の回答:「あら!とてもよく勉強されていて、とても新しい知識を持たれている整体師さんのようですね。私は治療してもらていないので、何とも言えないけれど、良さそうな感じがしますよ。でも、ご自分で判断してくださいね。よければまた、どこを治療してもらって、どんなことを言われたのかや、感想などを教えてください。」
相談例2
生徒の質問:「先生にいつも注意されるターンアウト(つま先を外に開くこと)を集中的に教えてくれる、ターンアウト講座というのを、お医者さんでバレエを習っている方が講師でワークショップがあると聞いて興味があるのですが、先生はどう思われますか?ちなみにこれがそのチラシです。」
私の回答:「面白そうですね!どんなことを教えてもらったのかや、感想などを、よければざっくりで良いので教えてくださいね!」
ワークショップから戻ってきたこのスタジオ生は、「面白かったです!あと、これをもらいました。」と自分の身体が分析されたシートをコピーして渡してくれました。
改めて、自分の生徒の詳細な身体情報を他の方からどう分析されているのかがわかって、とても面白かったです。
ただ、このシートは筋肉のパーツ1つ1つについて詳細に書かれているのですが、この方はどちらかというと頭で考えると身体と連携しにくくなるため、知識として参考にする程度で、レッスン中はあまり筋肉1つ1つについて気にしすぎないように伝えました。
相談例3
生徒の質問:「なかなか股関節が柔かくならないので、半年ほど土曜日のレッスンをお休みして、ヨガに通ってみた方が良いのか悩んでいるのですが、どう思われますか?」
私の回答:「ぜひ!そうしてください!私もその方が良いと思います。」
この方は、ボーっとすることが苦手で、レッスン中、常に頭で考えてしまうタイプの方なので、バレエで重要な“考える”ことよりも“感じる”練習をするという意味でも、ヨガがおすすめでした。
半年ほどヨガに通われ、少しボーっとしたり、感じることが出来るようになりました。
半年後には「やっぱりヨガよりバレエがしたい。」とヨガをやめて、バレエのクラスを増やして元に戻られました。
「やっぱり、ヨガはあまり好きじゃないんです。」と言われていましたが、その後も身体と向き合うことは定期的に続ける習慣が出来たようです。柔軟性も本人の努力でずいぶんアップしました。
相談例4
生徒の質問:「バレエショップにトゥシューズを買いに行ったら、私は左右の長さが違うと言われてこのようなグッズを買った方が良いと言われたのですが、先生はどう思われますか?」
私の回答:「これは、あった方が楽なら使ってみると良いと思いますが、これは、筋力のなさを補うものなので、出来れば足指のトレーニングをして、使わなくて良いようにするのが、おすすめですね。」
相談例5
生徒の質問:「先日、マシンピラティスのパーソナルトレーニングに行ってきて、こんなことしたのですが、効果があると思いますか?」
私の回答「あ、すごく良いと思います。」
この方は、「1対1でトレーナーさんに使う筋肉の場所を触ってもらいながら動くと、意識して正しい筋肉を使いやすいんです。」と教えてくれたので、クラスの人数が少ない時のバーレッスンなどでは、出来るだけ身体を触って指導するようにしました。
また、「先生!明日ピラティスと整体なんですが、今の私におすすめはなんですか?」と聞かれるので、「体幹は強いはずなんだけど、お腹がすぐに抜けるのがなぜなのか、聞いてみてください。あとは、整体は股関節の柔軟性アップがおすすめです。」と伝えて、彼女はトレーナーさんにそれをそのまま伝えたところ、股関節の施術をしてもらって“お腹がすぐに抜けるのは、背筋がめちゃくちゃ強いから”だと聞いて、それを私に教えてくれました。
そこで、(なるほど~)と思い、その人のお腹が抜けていると、
「お腹をしめて!」ではなく、「背筋ゆるめて!」と声をかけるようになりました。
すると一瞬で正しい状態に戻れるようになりました。
そう思ってみると、フィットネスなど、バレエ以外でトレーニングをしている生徒が何人か同じ状態であることに気がついたので、本人に了承を得て、他の生徒にも同じように言葉かけをするようになりました。
この他にも、図書委員の生徒が「この解剖学の先生、今、すごく話題になっているんです。」と紹介してくれた先生の著書を読み、サイトを見て、参考になる部分をレッスンで活用したりもしています。
(ワークショップにも行きたいけれど、まだ行けていませんが)
私はよく、「身体にすごく詳しいバレエの先生」と言われるのですが、それは確かにもともと自分で勉強したり、ボディーワークを習ったり、整体を少しだけ教えてもらったりしたから、というのもあるのですが、実はこのように生徒から相談されたり紹介された情報から学び、それを生徒たちにフィードバックしたり、指導に活かしているところがとても多いです。
生徒1人の知識や経験が増えると、1人のスキルが変わりますが、生徒全員と関わる教師の知識や経験が増えると、教室全体、生徒全体のスキルが変わります。
それは、大きな変化、大きなうねり、大きな進歩となって、未来を照らします。
そこで、
「私はバレエの先生だから、なんでも知っているのよ。」
「先生が生徒に教えてもらうなんて、恥ずかしい。」と思う教師は、昭和か平成で時が止まります。
どんな偉大な教師でも、新しい知識、新しい情報は必要です。
そして、そういった新しいものを取り入れるのは、若い人たちは本当に得意ですし、私と同世代でもアクティブな人たちは本当に色々な情報を積極的に手に入れています。
私は自分の生徒を上手にするためなら、恥ずかしかろうが格好悪かろうが、どうでも良いんです。
先生だって、人間だから知らないこともあるし、間違えることもあります。
教師は一生勉強です。
だから、先生に教えてあげる、という意味でも、新しい情報が入ったら、ぜひ先生に相談してみてください。
ただし、「私は神です。」みたいなタイプの先生にこれをやると、失礼になる可能性があるので、そこはご自分で見極めて、自己判断でお願いします。
うちは、もちろん相談OKですよ。
出来れば、新しい時代のバレエ教師でありたい、柔軟さは持っていたいと思うのです。
私は持つとしたら、
「完璧なバレエ教師であるプライド」ではなく、
「生徒のためなら、なりふり構わないプライド」を持ちたいのです。
サクラバレエのスタジオ生たち、私も含めてみんなで上手になりましょうね。
そして、私を助けてね。サポートしてね。
私も、あなたたちを助けます、サポートしますから。
そして今はスタジオを卒業したけれど、私の考えに賛同して、協力し続けてくれた、沢山のサクラバレエOGたちに、心からの感謝を送りたいと思います。
あなたたちのおかげで、今の私とサクラバレエはあります。
本当にありがとうございます。
感謝の気持ちと共に、この記事をお届け出来ればと思います。
さあ、今日もレッスンです。
現スタジオ生のみなさん、スタジオで待っていますよ!
◇
あなたも私たちと一緒に、レッスンしませんか?
見学・体験レッスンの受付を再開しています。
そしてただいま、夏の入会キャンペーン中です
6~8月は体験レッスン料
通常1,500円 → 500円
さらに見学・体験レッスン後、3ヶ月以内に入会された場合、入会金半額です。
通常10,800円 → 5,400円
見学・体験レッスン随時受付中です!
お電話による見学・体験レッスン予約受付(9:00~21:00)
📞086-236-9372
定休日:日曜日(午後)・月曜日
※レッスン中などで、電話に出られないことがあります。
その場合はお手数ですが、再度ご連絡頂くか、メール又は見学・体験予約フォームにてご連絡下さい。
着信履歴がのこっている場合には、こちらから折り返しご連絡させて頂くこともあります。
桜先生への質問募集中!
こちらのブログでは、 『サクラバレエ』や『大人からはじめるバレエ』に関する素朴な疑問・質問を大募集中です!いつもブログ読んでいて、気になっていること、聞いてみたいこと。
「あのことについて、もう少し教えて」「〇〇ってどんな意味?」など、みなさんの質問を募集します。
下記をクリックしたら、フォームサイトになります。
掲載採用の際はお名前は表記しませんので、ご安心ください。
全てに答えられないかも知れませんが、出来る限りお答えしようと思います。
ご質問、お待ちしています!
サクラバレエのホームページ
https://sakuraballet.amebaownd.com