毎週水曜日連載中の『教えて!サクラバレエ』シリーズ。
見学や体験レッスンに来てくれた方達が書いてくれたアンケートの質問への答えや、私発信でサクラバレエについてのお話しをしていきます。
14回目の今回は、~年齢について~の続編です。
ちなみに、前回の記事~年齢について1~は、こちら↓
https://ameblo.jp/sakuraballet/entry-12451516091.html
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前回は、年齢的なハードルの一つとして、“髪”についてのお話しでした。
今回は“目”について。
私もそうですが、年齢が上がってくると、“目”が変化してきます。
近くと遠くをパッと切り換えて見るのが苦手になったり、動体視力が低下してきます。
あのイチロー選手は45歳で引退されましたが、体力が原因というよりは、視力の衰えや反射神経の低下が原因の一つでは?と分析されていますよね。
野球ほどではありませんが、バレエもかなり目を使います。
回転でお顔をつける(目が回らないように、すばやく顔を動かす)時はもちろん、バレエはすべての動きに決まったお顔のつけ方があり、トゥシューズで立つ、ジャンプなど身体を上に引き上げる動きをする時、特に目と顔が重要です。
この時に視力に問題があると、顔の角度が不自然になったり、上手くコツをつかんで踊ることがむずかしくなります。
本人は気がつかないのですが、教師や周りの人から見て、なんだか、ギクシャクしたような動きをしている場合、視力が原因であることも多いです。
そして、視力が衰えるということ、目に変化がおこりはじめるということは、同時に反射神経も衰えているということです。
とっさに動けない、パニックになる、オタオタする。
サッと列に並んだり、フォーメーションを変えたり、場所を変わったりした時にとっさの対応が出来なくなってきます。
日常生活でも、若い頃のようにパッパッパッと動けなくなります。
スーパーやコンビニのレジ前でモタモタしてしまう、携帯ショップの店員さんと話が噛み合わない、相手が言おうとしていることがなかなか理解出来ない、知らない間に話が食い違ってしまっている。
最近問題になっている、高齢者の自動車の運転が、もっともわかりやすかもしれません。
マイペースでノロノロ進んだり、急にブレーキをかけたり、ハンドルを切ったり、間違えた操作をしてお店に突っ込んでしまったり。
アクセルとブレーキを間違えてしまったり。
バレエのレッスンでも同じことがおこります。
スタジオのフロアで、ステージの上で、交通渋滞を巻き起こしてしまいます。
本人はまったく気がついていないけれど、周囲の人がヒヤヒヤハラハラしていることも実は多いです。
また、教師はレッスン中は全員を同じように扱います。先生が生徒に気を遣って
「あなたは◯歳だから、これはしなくて良いわ。」ということはありませんし、本気で習いに来ている人にそうすることは逆に失礼ですので、全員が同じレベルを目指します。
すると、出来なくて注意されたり叱られたりすることが若い頃よりも圧倒的に増えます。
若い頃より何倍も努力していても、です。
それでも、大丈夫ですか?というお話です。
また、これは年齢だけのことではありませんが、バレエはレッスン中も本番も眼鏡はNGです。
レッスン中に誰かに当たったり、落としたりすると危険なので、はアクセサリーや時計と同じように、眼鏡も着用出来ません。
どうしても必要な場合は許可することもありますが、周囲の人が気を遣うので、原則NGです。
眼鏡着用率はやはり年齢と比例しますので、こちらもやはりハードルの一つだと言えるでしょう。
趣味で楽しくバレエを習うのは、何歳でも大丈夫だと思います。
眼鏡がOKの教室や先生もあるかもしれません。
いつも同じようなレッスンをする先生の場合は、反射神経はそれほど必要なかったりします。
今はマダムバレエ、ストレッチバレエなど、色々なクラスがありますから、普通に汗をかいてレッスンするのは、年齢に関係なく、健康や美容に良いですし、楽しめると思います。
けれど、本来のバレエを踊りたいのであれば、これらのハードルを超えて、超えて、越え続けなければ難しい。
これらの現実も、ぜひバレエを習いはじめる前に知っておいて欲しいと思います。
その上で、自分が何を選んで何をあきらめるのかを選択されると良いと思います。
現在、海外のバレエ団の多くは定年を40歳。
バレエは身体に変化が出はじめる前の人が踊るものですので、40歳をすぎると本気でバレエを踊ろうとしたとき、それまでエンジンが2つだったものが、1つですべてをまかなわなくてはいけない。
そんなイメージです。
厳しいお話しですが、現実ですので。
そして、あなたはそれでもバレエを習いたいですか?ということです。
せひ、ご自分に問いかけてあげて欲しいと思います。
つづく