大人がバレエを習うということ㉔ ~自分を上手に出来るのは自分だけ~ | サクラバレエ 

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毎回、大人からバレエを習うということについてお話してきているこのシリーズ。

 

バレエを習うにあたって、大人からバレエを習う人が、バレエを習う子供達と大きく違う点があります。

 

それは、大人が“自分の意思でバレエを習いに来た”ということです。

 

大人になってからバレエを習う人がよく言うのが、

 

「小さい頃にバレエを習いたかったのだけれど、親が習わせてくれませんでした。」

 

「近所にバレエ教室がなかったので、バレエを習うことが出来ませんでした。」

 

「クラシックバレエという敷居の高いものを、もしかしたら自分も習えるのかもしれないと気がついたのが大人になってからでした。」

 

ということです。子供の頃に習えなかったバレエを大人になってから、“自分の意思”で習い始めることが多いようです。

 

一方、子供の頃にバレエを習う人は、ほとんどの人が、

 

「お母さんに連れて行かれて、気がついたらバレエを習っていました。」

 

「お母さんが昔バレエを習いたかったけど、習えなかったので、私をバレエ教室に入れたみたいです。」

 

「お姉ちゃんがバレエを習うついでに、一緒に習うことになっていました。」

 

というパターンが多いように思います。

 

中には、

 

「テレビで観たバレエに憧れて、お母さんに習わせて欲しいと頼みました。」

 

「お友達のバレエの発表会を観に行って、私もチュチュを着たいと思って、親にお願いしました。」

 

「お姉さんがバレエを習っているのについていって、楽しそうだなぁと思って、親に頼みました。」

 

などと、いう“自分の意思”でバレエを習う人も中にはいますが、そのほとんどが“親の意思で”バレエを習うことが多いようです。

 

子供の頃はみんな心の中に、親を喜ばせてあげたい、親に褒めてもらいたい、という気持ちが強くありますから、親が乗り気なら、自分がよほど嫌でなければ、バレエを習いはじめますし、上手になろうと一生懸命がんばります。

 

そうしていくうちに、“やっぱり私はバレエが好きじゃない”ということや、“私ではお母さんを喜ばせてあげられるほど上手にはなれそうにない”ということに気がついて、残念ながらやめて行く人も少なくありません。

 

そんな、“自分のため”ではなく、“親のため”または“先生のため”にレッスンしている子供達は、レッスン中、目が輝いていません。中にはレッスンを続けているうちに、自分自身が実はバレエが好きで、親のためではなく、自分のために踊っていることに気がつくケースもありますが。ほとんどの場合、子供達はどこかどんよりとした雰囲気で、少しでも早く、親が“もうバレエをやめても良いよ”と言ってくれるのを待っていることも少なくありません。

 

一方、大人からバレエをはじめる人のほとんどが、“自分の意思”でバレエを習いはじめます。大人の中でも、ごく稀に、親に振り向いてもらいたくてバレエを習いはじめたり、再開するケースもありますが、子供に比べると圧倒的に少ないです。

 

このため、大人になってからバレエを始める人は、レッスンの時に、バレエを習える喜びで、キラキラワクワクしていることが多いです。

 

バレエは楽しいことばかりではなく、目の前に壁が立ちはだかり、心がくじけそうになることもあると思いますが、それでも、“親の意思”でバレエを習っているケースと違って、“自分の意思”でバレエを習っている人は、バレエのレッスンそのものを楽しみながら、前向きに、クラスレッスンを受ける人が多いように思います。


このように、大人バレエの良いところは、“自分の意思でバレエを習っている人が多い”という事ですから、どうせなら、『受け身』ではなく、『積極的』にレッスンを受けると、バレエの上達が2倍、3倍と早くなります。

 

たとえば、週1回のレッスンだとすると、レッスンに来て、レッスンを受けて、帰って、また次の週にレッスンに来て、と繰り返すよりは、次のようなことい気をつけてレッスンを受けてみましょう。

 

①レッスン中の他人への注意は自分のこととして聞きましょう

 クラスの人数が多い場合は、バレエの先生は全体への注意を誰か1人に代表として注意していることが多いです。たとえば、「体を引き上げて!」や「つま先伸ばして!」などの注意は、他の人がされていても、自分もきちんと出来ているのかチェックしてみましょう。自分の注意だけをなおすよりも、何倍も気をつけながら練習することが出来ます。

 

②先生に「やってみて」と言われたら、積極的に参加しましょう

 舞台の上と違って、レッスン場はたくさん練習して、たくさん間違えて、出来なかったことを出来るようにするための場所です。やってみなければ、永遠に出来るようにはなりません。挑戦するチャンスが来た時は積極的にチャレンジしてみましょう。

 

③一度なおしをもらったところは、次までに、なおしておきましょう

 基本的にバレエは一度なおしをもらった(注意してもらった)ことは、次のレッスンまでに出来るようにしておくものです。筋肉が記憶するまで時間がかかることだったり、筋力や柔軟性が足りなくて、すぐには出来ない事だったり、習得するまでに時間がかかることの場合はしかたありませんが、なおせることが次のレッスンでなおっていない場合、教師はそこが直るまで次のなおしをしないことが普通です。(あ~、また先生に注意されちゃった。)と流すのではなく、(どうすれば注意されないようになるか)を自分で考えて、分析して、今の自分に出来ることは、今すぐ直すつもりでレッスンを受けましょう。そうすれば、一つなおれば、また一つ、と次々となおしをしてもらえますので、上達が早くなります。

 

④振りがある時は、次のレッスンまでに憶えてしまいましょう

 発表会の曲などはもちろんのこと、レッスン中にでも何度か繰り返して踊る場合は、1度習った振りは、次のレッスンまでに憶えてしまいましょう。基本的にバレエは振りを教えてもらえるのは1回、初心者さんでも2~3回です。そして、それぞれのクラスで憶えられるくらいの長さとレベルの振り付けになっているはずです。前回、「バレエの公平・不公平」の回でも書きましたが、振りを憶えていないと、他の人のレッスンのジャマをしてしまいます。もし振りうつしの日にお休みをしてしまったら、早めにレッスンに行くなどして、レッスンを受けた人達に教えてもらって、レッスンでやる時にはすぐに踊れるように準備しておきましょう。

 

⑤バレエはレッスンからレッスンの間が大切です

 1回1回のレッスンも大切ですが、バレエはレッスンが終わってから、次のレッスンがはじまるまでも大切です。

 レッスンが終わったら、注意されたり、出来なかったことの復習をしたり、わからないステップはわかる人に聞いたり、振り付けがある場合はしっかり確認しておきます。何人かで踊る場合は、一緒に踊って、踊りを揃えておくのも良いでしょう。家に帰ったら、忘れずにその日レッスンで注意されたことをノートに書いたり、頭の中でまとめたりしておきます。またレッスン後やレッスンのない日はストレッチをしたり、エクササイズをしておくと大人バレエの課題でもある、体づくりがスムーズですし、レッスン前は先週のおさらいをしたり、ウォーミングアップやストレッチなどもしておくと良いでしょう。

また、様々なバレエの本や雑誌を読んだり、舞台を観に行ったり、DVDを観たりすることも、バレエの上達には大切です。

一日が24時間だとして、一週間で24時間×7日=168時間。

バレエのレッスンは168時間中、たったの1時間です。

バレエが本当に上手になりたいのなら、レッスンからレッスンの間の過ごし方でその上達度は大きく変わってくるでしょう。

 

バレエを習いはじめた頃は、右も左もわからないので、まずはバレエのレッスンやお教室に慣れることからのスタートですが、少しずつ慣れて余裕が出てきたら、ただ先生に上手にしてもらおうと“受け身”のままでレッスンを受けるのではなく、自分から“積極的”にレッスンを受けることがとても大切です。

 

なぜならクラシックバレエは、バレエを通して自分を表現する芸術、つまり自己表現することがとても重要なのです。自分から積極的に自分を表現出来なくては、そして“受け身”のままではバレエは踊れません。

舞台に立っていても、レッスン中でも、ぼんやりと埋もれてしまい、観に来てくれたお客様や、レッスンをつけてくれている先生にも、何も届かずに終わってしまいます。

 

上手に踊ることも大切ですが、自分を積極的に相手に伝える自己表現もとても大切なのです。

 

バレエを習っていると、先生が自分を上手にしてくれる、という感覚が強くなるものですが、どんなに良い先生に教わっても、自分で自分を上手にしてあげようという意識がなくては、上手になることは出来ません。

 

厳しいことを言いますが、

 

(誰かがいつか上手にしてくれるだろう)と思っていたら、大間違いです。

 

残念ながら、それではいつまでたっても、誰もあなたのことを上手にしてはくれません。

 

バレエはそんなに甘くありません。

 

バレエを踊るには、自分に厳しくなくてはいけません。

 

(そのうち、上手になるでしょう。)

 

(好きなことだけ、頑張れば良いよね。気が乗らないことは、やらなくても良いよね)

 

(今日は、レッスンお休みしちゃえ。)

 

そんな風に思っていては、残念ながら、バレエは上手になりません。


自分を上手にしてあげられるのは、自分だけなのです。

 

ストイックになりすぎて、自分を追いこみすぎるのもいけませんが、自分を甘やかしてもいけません。

 

自分に甘い人は、バレエは上手になれません。

このことを忘れてはなりません。

 

だからと言って、あちこち掛け持ちをしたり、先生の言うことに耳を貸さないのいけませんが、素直な気持ちでひたむきに前を向いて、自分から積極的に上手になろうという意識を持ち続けることと、楽しみながら努力を続けることが、大人がバレエを習う上でとても大切な事だと思います。

 

 

これらのことは、小さい頃からバレエを習っている子供達は当たり前のように教えてもらっているのですが、大人はなかなか耳にする機会がないと思いますので、今回お話させて頂きました。

 

バレエが本気で上手になりたい人は、ぜひ取り入れてみて下さい。

 

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