1回目の記事はこちら↓↓
前回の記事はこちら↓↓
毎週火曜日に連載中の『大人がバレエを習うということ』シリーズ。
19回目の今回は、『バレリーナの定年は40歳という現実 その①』
大人バレエには欠かせない、バレエと年齢のお話です。
今回は、まず最初におことわりしておきたいのが、私はお医者様でも体の治療や研究をしている専門家でもないので、体についての詳しいことや専門的なことは、必ず医師や専門家におたずね下さいね。
また、この記事は桜が2016年2月9日現在の知識や経験に基づいて書いているものなので、将来的には見解が変わる可能性がありますので、ご了承下さいね。
前置きはこのくらいにして、本題に入ります。
それでは、どうぞ。
◇
今、世界中で、様々な年齢の人がバレエを習ったり踊ったりしています。
私が教えたことのある年齢だけでも、4歳~70代まで実に幅広いです。
ただ、サクラバレエは本気で上手になりたい人のためのバレエ教室ですので、ここではプロを目指して本気でレッスンしている場合の話をしたいと思います。
日本でバレエを習い始める年齢は4歳が一般的なようですが、海外では国によって違いますが、もう少し上の年齢になってから始めることが一般的です。
なぜなら、日本では、まずは趣味として街のバレエ教室でバレエをはじめることがほとんどですが、海外でプロを目指す場合は最初からプロになることを意識して“バレエ学校”でバレエを習い始めることが一般的だからです。
(日本の場合は発表会の役などがバレエ教室の所属年数によって決まることもあるため、早い年齢から始めた方が有利だと考えられていたり、お友達が習い始めたからうちも一緒にというパターンで本当に小さい頃から習い始めるケーズが多いようです。)
海外では7~8歳は入学準備クラスというものに所属して、9~11歳で入学し、8~9年かけて卒業しますので、18~19歳でプロの世界に入ることがほとんどです。
海外のバレリーナのほとんどは、公務員で、大体40歳で定年です。それまでの20年間踊ります。
この定年も以前は35歳でした。労働組合からの要請や、ピラティスやトレーニング技術の進歩によって、40歳まで延びたのです。
これはつまり、バレエと言うものをきちんと踊ろうと思うと、40歳を過ぎると肉体的にきつくなるということなのです。
40歳を過ぎて、バレエをはじめる人は、このことを知っておいて頂きたいと思います。
◇
本当は、このあたりのことはぼんやりと曖昧にしておいた方が、夢があって良いのかもしれません。
けれど私は、「本当のことを伝える」という事が、「大人を大切にする」ということであり、本当の意味での“誠実さ”と“優しさ”だと思っているので、ガッカリしてしまう人が沢山いることを承知であえて書きます。そして、ここでガッカリした人も、どうかこのシリーズの最後まで読んで欲しいと思います。
◇
芸事を身につけるために必要な、『心・技・体』
バレエのレッスンは、この3つの要素をまんべんなく鍛えますが、40歳を過ぎると、このうちの『体』が落ちはじめます。
これは、人間も動物なので、さけて通れない自然の摂理です。
具体的に言うと、一番わかりやすいのは、筋肉がつきにくく、落ちやすくなることです。
ですからこの年齢を過ぎると(この年齢以前にも必要ですが)、バレエのレッスン以外に『体』の補強が必須になってきます。
いわゆる、『筋トレ』や『エクササイズ』などはもちろんですが、1人1人自分の体をよく知って、弱いところを補いながら、しっかりと体を意識しながらレッスンすることが必要になります。
これをおこたると、上達することがむずかしいばかりか、ケガや故障をしやすくなります。
若くても、バレエはケガや故障をしないとは言い切れません。
その、ケガや故障をする確率が、40歳を過ぎると格段に上がります。
そして、もっと細かく言うと、私はそのポイントになる年齢は、40歳ではなく、35歳だと思っています。
さらに細かく言うと、年齢でキーポイントになるのは、
9~11歳、20歳、35歳、60歳だと思っています。
つづく
次回の記事はこちら↓↓