京極夏彦「魍魎の匣」
箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。
そして巨大な箱型の建物――
箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。
探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。
果たして憑物(つきもの)は落とせるのか!?
刑事・木場は、偶然に中学生の少女が線路に転落し、列車に轢かれる事故に遭遇する。
その少女・加奈子は木場がひそかにファンであった元女優・美波絹子の妹だった。
絹子は渋滞の加奈子を助けるべく、ある医療機関へ搬送するが、そこは巨大な箱型の建物だった。
一方、世を騒がせるバラバラ死体遺棄事件を追う記者・鳥口に頼まれて、小説家・関口は相模湖への取材に同行する。
その帰り道に迷い込んだ先には、巨大な箱型の建物が…。
手がかりが無いまま、バラバラの腕や脚は次々と発見される。
そして今になって「加奈子は誰かに突き落とされた」と主張する友人・頼子。
箱を祀る奇妙な宗教にはまる頼子の母。
そんなある日、探偵・榎木津に捜索人の依頼が来る。
それは加奈子だった。
重体の加奈子は、ほんの短い間に誘拐され、忽然と姿を消したのだった…。
前回「狂骨の夢」を読みまして
次は「鉄鼠の檻」に進もうかと思ったのですが
随分前に読んだ「魍魎の匣」を読み直したわけです。
が、結構時間がかかってしまいました。
なんといっても、この厚さ
携帯できないし、家で読むにも読みづらい。
ちなみにこの頃は971円でした。
今は1,650円。
表紙も変わりましたね。
(所蔵している文庫の表紙、
「小さい頃怖かった…」と子供が言っていました)
バラバラ殺人の方の犯人や、加奈子を誘拐したトリックは覚えていましたが
他の部分はかなり忘れていましたね
榎木津と木場のキャラクターが詳しく描かれていて面白かったです。
特に「狂骨の夢」ではただの「変わり者」だった榎木津が
「そういえばこういう人物だったか…」
と思い出しました。(彼の特殊な能力も)
ストーリー的には、
「やっぱり面白い」
という月並みな感想しか出ませんが
「狂骨の夢」は複数の事件が入り組んでいて、
非常にわかりにくかったのですが
こちらも複数の事件が入り組んでいるにもかかわらず、
関係性はわかりやすく、
かつ最終的に「なるほど!」と納得いくものばかりでした。
(メモを取りながら読みましたが、
相関図を書かなくとも理解できました)
お話の雰囲気的には「姑獲鳥の夏」が一番好きですが
話の内容と構成は、「魍魎の匣」が一番かなぁ~。
それにしても気持ち悪いのは、
バラバラ事件の犯人ですね。。。
美波絹子は、ちょっと横溝正史に登場する美女チックでした
映画化もされたようです。
結構豪華な顔ぶれです。
榎木津が阿部寛さんというのは面白いですが
木場が宮迫さんというのは、どうも…
久保竣公が宮藤官九郎さんというのも、
見ないで言うのはなんですが、イマイチ…。
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