Voice/デミアン
1. Voice
ハイペースのリリース展開を見せているデミアンの4thデジタルシングル。
ここまでの3曲は、それぞれ経路が異なる楽曲。
どれかひとつに固執しないように、あえて別々のアプローチを試していた印象だったのですが、この「Voice」を聴いたことで、デミアンとして軸となりそうな音楽性が見えてきたかな、と。
誤解を避けるために言葉を足すと、この「Voice」が過去の3曲のいずれかに寄っているということではなく、これはこれで独立した1曲。
決して被ってはいないのですが、これはデミアンのサウンドだと感覚的に理解できてしまうのですよね。
美しく繊細なフレーズと、切なさを駆り立てる疾走感。
物憂げな表情が浮かび上がってくる、優しい歌声。
CHARLESやBELLESのような過剰装飾的な華やかさには至らないまでも、耽美なメロディラインが解禁となった感もあり、真の意味で高い自由度の中で、彼らの強みを最大限に活かした楽曲に仕上がっています。
少し唐突に終わっているため、もう少し余韻に浸りたかったという名残惜しさはあるものの、既に5thシングルのリリースも決定していることを踏まえれば、ここから繋がる楽曲がすぐに届けられるよ、というメッセージだったりして。
翳りと共に清涼感があって、現代的な白系チューンと言えるのでは。
現在、ギタリストとドラマーを公募中のデミアン。
レコーディング済みの5thシングルまでが第一期となる構想とのことで、早くも新たな化学反応に向けて動き出しています。
真髄が見えてきた、と思ったところで、またも変化を求める彼ら。
ある程度は不可抗力的な要素はあるにせよ、期待を高めるにはふさわしい1曲でした。
<過去のデミアンに関するレビュー>