認知ノ歪ミ/マクラカ壊死
1. 嗤う愚者
2. 堕運
3. Un Conscious
4. I can’t see the gap.
5. 七折るる指
6. Let's believement
7. 屍ノ宮
8. 曼荼羅
9. 阿佐ヶ谷メリィ
10. 孤独に絶望
11. 忌子
12. dreamcatcher
13. I lost grory
14. May Cry
15. マガイ
16. 明日は僕を待っていない
17. さよならあいした世界
18.鎮魂歌
マクラカ壊死による約3年ぶりとなった2ndフルアルバム。
アマミツゝキやANONYMOUSのベーシストとしても活動中のIvyさんによるソロプロジェクト。
サポートギターにアマミツゝキ、ヘルブロスの千歳さん、サポートドラムにANONYMOUS、ヘルブロスの大熊けいと邦夫さんを迎えたスリーピース体制は前作から継続。
自分が参加しているバンドからサポートを招いた結果、ヘルブロス色が強まっているのは面白いものです。
デモテープとしてリリースしていた4作、12曲も全曲収録。
ベストアルバムとしても成立する楽曲数を保持していながら、更に新曲も加えた全18曲の大ボリュームでドロップ。
前作では、退廃的でダークな曲調が主軸だったのですが、本作ではダンサブルだったりメロディアスだったりと、幾分か聴きやすさは増した印象ですね。
もっとも、収録曲はある程度作品単位でまとまって構成されています。
この作品ではキャッチーな楽曲を意識しているのだな、この作品ではダークな世界観を突き詰めたのだな、というコンセプトの移り変わりも含めて味わうことができるアルバムに。
ボリュームが大きいことを踏まえ、1枚という単位ではなく、小分けのブロックに分割して、それぞれで世界観を構築していくという手法が機能しているのではないかと。
作曲は、ほぼ千歳さんが担当。
空間系の音色の使い方が面白い「明日は僕を待っていない」だけ、大熊さんがコンポーズしています。
Ivyさんは全曲の作文と歌唱を担い、アルバム全体をコーディネート。
どうせソロプロジェクトなのだから、コンポーズにも踏み込んでほしかった気がしないでもないですが、それだけマクラカ壊死というプロジェクトが有機的なバンドとして機能しつつあるという証明でもあるのでしょう。
メロディに力を入れたことで、Ivyさんの歌唱の垢抜けなさが目立つ部分とはいえ、基本的に1stアルバム「癌球-gankyu-」の正当進化系。
やや型にハメすぎて面白味が失われてしまっているのは課題ではあるものの、ヴォーカリストとしての成長とチャレンジで解消したいところです。
ダーク寄りになった彼らのサウンドを聴きたいリスナーにとっては、安定して聴くことができる1枚。
<過去のマクラカ壊死に関するレビュー>