蓮華鏡/葉月
1. 睡蓮
2. CRYSTALIZE
3. ALLIVE
lynch.のフロントマン、葉月によるマキシシングル。
lynch.の活動休止中は、HAZUKIとしてソロ活動を行っていましたが、本作は、それ以前に発表していた「葬艶-FUNERAL-」の流れを汲む作品となっており、"葉月"名義でのリリースとなっています。
バンドサウンド以外も詰め込んでヴォーカリストとしての幅を広げるHAZUKIと、クラシックなスタイルでその奥行きに挑戦する葉月。
ソロである意義に加え、名義を使い分ける意味も明確にしているところが、いかにも音楽活動に対して真摯に向き合っている葉月さんらしいですね。
リードトラックとなったのは「睡蓮」。
ピアノに加えて、ヴァイオリンやチェロといったストリングスの音色を主軸に据え、琴や尺八も取り入れた独自のクラシカルスタイルが、見事なアンサンブルを生み出していました。
純粋な和というよりも、東洋と西洋の文化がぶつかり合うオリエンタルな雰囲気に。
コクがあって太く深い歌声。
しかしながら、歌い回しのひとつをとっても神経質で繊細に表現しているのが特徴で、またレベルが上がったな、と純粋に感心してしまいます。
ストリングスを、スリリングな演出として用いているのが「CRYSTALIZE」。
大袈裟にリズムを入れたりしていますが、大きく方向性を変えるほどではなく、アクセントとなっていたのでは。
演奏がシンプルになるからこその気付きであり、これを認識できた時点で本作を聴いた価値あり。
カップリング曲も、侮れません。
なお、初回限定盤には、表題曲のMVに加えて、2021年12月の中野サンプラザ公演の模様を収録したBlu-rayが付属。
豪華パッケージとなっており、余裕のあるファンは、こちらもチェックしておきたいところでしょうか。
<過去の葉月(HAZUKI)に関するレビュー>