EGØIST/HAZUKI
1. EGOIZM
2. XANADU
3. C.O.M.A.
4. 七夕乃雷 -Shichiseki no rai-
5. AM I A LØSER？
6. CALIGULA
7. LIGHT
8. THE MIDNIGHT BLISS
9. HEROIN(E)
10. ROMANCE
11. ＋ULTRA
12. BABY, I HATE U.
13. CYGNUS
HAZUKI名義では初となる、待望のフルアルバム。
先行リリースされていた２枚のシングルから、表題曲となっていた４曲を収録。
アルバム本編についても、そこで提示していたスタイルを踏襲していると言えるでしょう。
ハードでダークでメロディアス。
音楽性そのものはlynch.との大きな差異を感じさせるものではないものの、アウトプットのアプローチとして、ダンサブルなロックスタイルを強めている印象です。
リードトラックとなる「七夕乃雷 -Shichiseki no rai-」は、ヘヴィネスとダンスロックを融合させた筆頭。
キラキラしたイントロに、リズムカルに刻まれるドラム、歌メロも心なしか歌謡曲要素が強まっていて、キャッチーに振り切った印象もあるのですが、そのメロディにはしっかり葉月節も感じられました。
また、「CALIGULA」や「ROMANCE」のようなジャジーなナンバーや、白系的な壮大さを求めながら文字通り光に向かう「LIGHT」など、チャレンジの幅も広がった気がします。
ここで特筆すべきは、「ROMANCE」のイントロなどに、ベリィ時代の楽曲「哀・薄情ロマンス」のフレーズが挿入されたこと。
素直に過去曲の再録とはしなかったところに矜持を見せつつ、軸がブレていないこと、過去をなかったことにしていないことを示唆した形でもあり、コアなファンにはたまらないですよね、こういうギミック。
結果的に、このぐらいの変化なら、lynch.でもやっても違和感なかったのでは？と思ってしまう部分はあるのですが、その踏み込みすら躊躇するほど"lynch.の音楽"が自身の中で硬直化してしまっていたのであれば、一度ソロで自由にやってみる、という判断は正しかったのでしょう。
バンドだ、ソロだはあまり関係なくて、HAZUKIさんが奏でる音楽の続き。
そうフラットに捉えて聴けば、踏襲と挑戦のバランスがちょうど良い作品として受け止められそう。
lynch.の復活、および武道館公演が発表になった中、バンドがもう一皮剥けるきっかけにしてほしいものです。
＜過去のHAZUKI（葉月）に関するレビュー＞