+ULTRA/AM I A LØSER?/HAZUKI
1. +ULTRA
2. AM I A LØSER?
3. 奈落迦 -Naraka- feat. PABLO
2ヵ月連続リリースの第二弾、lynch.のVo.HAZUKIによるソロとしては2枚目となるシングル。
前作同様、Pay money To my PainのGt.PABLOさんをアレンジャーに迎えての制作。
CD盤にのみのボーナストラックとなる「奈落迦 -Naraka-」では、そのPABLOさんが作曲にも噛み込んでおり、ソロ活動になってパーソナルに潜るどころか、lynch.以上に外からの声を取り入れるスタンスになっているのが興味深いところです。
高められた柔軟性が、作品の魅力となって還元されているのが、「+ULTRA/AM I A LØSER?」。
第一弾となった「XANADU/HEROIN(E)」は、HAZUKIさんの王道をソロワークスの中で解釈するようなアプローチを取っていましたが、本作では、いよいよソロ活動だからこその味わいが出てきたかな、と。
「+ULTRA」は、アグレッシブなバンドサウンドを踏襲して前作からの流れを引き継ぎつつ、デジタルな質感を強調。
lynch.で演奏されていてもおかしくはない楽曲ではあるけれど、lynch.ではこのアレンジにはならないだろうな、という安心感と新鮮味が交錯する絶妙なラインを実現しています。
「AM I A LØSER?」も、ラウドチューンとして成立するように仕上げていますが、チアダンス風の掛け合いやストリングスを加えてのチャレンジングな要素に耳が奪われる。
マイナーチェンジの部類かもしれませんが、少しずつ変化が押し出されてきた感がありますね。
その中で際立つのが、「奈落迦 -Naraka-」。
異国情緒漂うアンニュイなナンバーで、歌謡曲にも通じるメロディラインが特徴的。
HAZUKIさんなりの白系チューンとも言え、ソロ活動においては、案外こちらの方向性にこそニーズがあったりするのでは。
その意味では、前作同様、3曲目を聴いたかどうかで認識が大きく変わってきそうなところがあり、それがどう出るか。
作品としてのクオリティは申し分ないですし、「奈落迦 -Naraka-」を含めればソロだからこその意義も見えてくるのですが、表題2曲だけだと、バンドとの差異化はまだ途上、という感想になりそうな気も。
総合的には、アルバム作品が発表されたときに真価を発揮しそうな予感はあるので、早いうちに次の展開が見てみたいものです。
<過去のHAZUKI(葉月)に関するレビュー>