regret~消え行く旋律、貌変える詩は夢幻の余韻~(remaster edition)/Annabyss Coast
1. altar garden(instrumental)
2. 輪転(prototype ver.) [additional track]
3. 懺咲-zanzaku-(demo)
4. alice in thorny maze(demo)
5. satanism(instrumental)
6. バフォメット(demo)
7. Corpse blind(demo)
8. 紙風船(demo)
9. uneasiness(instrumental)
10. 咎送り-ritual to bury mourning-
11. ordinary(demo)
12. tonight good-night(demo)
13. to Birdcage(instrumental)
14. 閃光のヴァージ(demo)
15. マリンブルー(demo)
16. グライド(demo)
17. Ⅻ(demo)
18. daemon’s pulse(instrumental)
19. 奈落の鵬(demo)
20. 水の中で見つめる夢 (8bit arrange ver.)
21. float〜葬送の鎮魂歌〜(demo) [bonus track]
22. 太陽の祈り子(2022 rerecording) [bonus track]
2014年に無期限活動休止となっているAnnabyss Coast。
本作は、当時無料配布されていたデモ音源集のリマスターエディションとなります。
8年の歳月を経て、入手困難だったアルバムが商品化。
もともとが無料配布だったことを踏まえるとインパクトが薄まる部分はありますが、22曲入りで2,000円というのは十分にお得感のある価格設定と言えるでしょう。
ただの再販ではなく、リマスタリングが施されていて、帯が付属したり、レーベル印刷されていたりと、デザイン面でも強化。
ブックレットこそありませんが、裏ジャケに表示されているQRコードで歌詞はダウンロード可能。
同時に、旧収録内容も付属しているので、仕上がりの違いを聴き比べることも出来る仕様です。
基本的な収録内容や構成については、配布盤の時点で語っているので、そちらをご参照。
内容面での差異は、「輪転」が追加されてスタートの雰囲気が変わっていることと、「float〜葬送の鎮魂歌〜」のデモトラック、および「太陽の祈り子」のヴォーカルパートを再録したものがボーナストラックとして収録されていること。
押し出される形で「太陽の祈り子」のインストヴァージョンは収録外となっていますが、ヴォーカル新緑版にパワーアップしたと考えれば問題ありません。
追加トラックとなる「輪転」は、2分弱のショートチューン。
スピード感によるものではなく、ワンコーラスだけで構成されているから故の短さ。
ただし、それでショートヴァージョンだったという感覚はなし。
神秘的なサウンドからポップに開けていく展開の妙によって、なんとなく、ここにはもう戻ってくることができないのだな、と受け入れてしまう説得力があるのですよ。
フルヴァージョンを作ることも可能ではあるのでしょうが、既にきちんと完結している印象でした。
ボーナストラック扱いの「float〜葬送の鎮魂歌〜」のデモヴァージョンは、現代的なリマスター技術によって、デモと言うよりもセルフカヴァー的なアナザーヴァージョンとして捉えるのも一興。
ヴォーカルを録り直している「太陽の祈り子」は、更にその傾向が強く、渋さが加わって味わいが深まっています。
結局、"demo"が外れることはなかった楽曲も多く、良質なだけにもったいなさは否めませんが、改めてポテンシャルの高さに触れられる1枚。
「太陽の祈り子」に新たな歌が吹き込まれただけでも、ファンにとっては大きな1歩と呼べるのでは。
<過去のAnnabyss Coastに関するレビュー>
regret~消え行く旋律、貌変える詩は夢幻の余韻~