Providence of JESUS/the LOTUS
1. ベヘリット
2. PANDEMIC
3. Lament.
4. A.P.O
"プロビデンスの目"をテーマに、2015年にthe LOTUSが敢行した連続リリースの第二弾。
第一弾は"命"がコンセプトでしたが、本作でモチーフになっているのは"神"。
いよいよ、Providenceシリーズも核心に迫っていくぞ、ということでしょう。
ストレートに展開された前作と比較して、ダークでマニアックな印象が強められており、the LOTUSの中でもコアな部分を押し出してきたと言えるのかもしれません。
全体的に、神々しく荘厳なイメージでアレンジが施されており、１曲目の「ベヘリット」から、ミステリアスに展開。
このコンセプトにして、"悪魔の神"を最初に持ってくるのも捻くれているのですが、悲劇的ではありながら、光が差すサビでの広がりをはっきりと演出していて、これ以上ないスタートになっていました。
続く「PANDEMIC」は、ライブ映えしそうなアッパーチューン。
デジタルサウンドを散りばめつつ、ハードなシャウトも噛ませて、前作からの踏襲といった王道感を形成しています。
コンセプチュアルな本作においては異質となるものの、お経のリズムでのシャウトなどに、東洋的な神の解釈が込められていると捉えると面白そうですね。
正統派のダークナンバーは、「Lament.」。
ヘヴィネスを意識して、エレクトロなアプローチも織り込みつつ、と2015年当時のモダンなサウンドに仕上げています。
見てはいけない部分に踏み込んでいくようなスリリングさが、ここまでの流れの中で良いスパイスになっていて、大トリに待ち受けるリードトラックへと繋ぐアクセントに。
じわじわと耳から侵食していくと、"apocalypse"の意味を指す「A.P.O」も、なかなかにテンションが高まる王道ナンバーではありませんか。
結果的に、４曲とも異なる"神"の切り方をしていて、楽曲単体でも、作品全体でも解釈が楽しめそうな１枚になったな、と。
コンセプトへの紐付けに強引さがないわけではないですが、色味が異なるミニアルバムを連続で発表できるバラエティの豊かさ、引き出しの多さは、素直に感心してしまうのですよ。
＜過去のthe LOTUSに関するレビュー＞