姫トリグサ/the Raid.
1. 姫トリグサ
2. 「7」
3. 女ルカリ(2021ver.)
the Raid.による、メジャー2ndシングル。
2曲入りCD+DVD、3曲入りCD、2曲入りCD+エムカード、表題曲のみのCD+エムカードという4形態での一般発売。
更には、Sony Music Shop限定盤として、メンバーごとの特別ヴァージョン6形態もリリースされており、合計10種類のタイプが発表されています。
前作同様、MVではYouTuberとコラボレーション。
話題の作り方も、なんだかthe Raid.らしいなと。
その「姫トリグサ」は、 Gt.bo_yaさんがコンポーズを担当したアッパーチューン。
サイケデリックなデジタルサウンドが中毒性のあるフレーズを鳴らしており、ソリッドなバンドサウンドの中で主張を強めています。
歌詞におけるアプローチとしては、メンヘラ系からの派生といったところで、リアルタイム性を重視したピンポイントでの共感を求めるもの。
和風のメロディと、歯切れの良い歌い回しの相性が良く、シングルらしいインパクトを残していました。
カップリングの「7」は、キラキラした雰囲気のポップロック。
ある種、本当にメジャーデビューしたのだな、という感慨深さを味わえるほどのキャッチーさに溢れています。
バンド感もしっかりあって、the Raid.として昇華。
とはいえ、このままマイルドになっていくのかな、という不安を持つリスナーもいるのかもしれません。
そのバランスを取り持つのが、「女ルカリ」の再録ヴァージョンなのでしょう。
2016年に発表したシングル曲で、和メロを用いた妖艶な世界観と、ハードな演奏を融合させたハイブリッド。
「姫トリグサ」で見せた方向性との類似性もあり、ボーナストラック的な位置づけになったのがもったいないほど、作品としてのまとまりを補強しているのですよ。
なるほど、総合的にバランスが良い。
このペースで順調に活動していければ、そろそろ待ち遠しくなってくるのがフルアルバムですね。
軸を持ちつつ、幅を広げつつ、という成長はシングル2枚でも十分感じ取れるだけに、どんなものに仕上がるかが楽しみ。
このクオリティなら、と期待感を高めてくれる1枚です。
<過去のthe Raid.に関するレビュー>