東京酸⽋ヒロイン / the Raid. | 安眠妨害水族館

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東京酸⽋ヒロイン/the Raid.

 

1. 東京酸欠ヒロイン

2. 守れない約束

3. オシマイ

 

 

10周年イヤーにメジャー進出を果たした、the Raid.のメジャーデビューシングル。

 

"生き苦しいこの都会で今日も息してますか?"

4タイプ同時にリリースとなるシングルは、切なく疾走するメッセージソングでした。

収録曲は、Type-Bを購入すれば網羅できる形式。

彼らの作品は、複数売りだとしてもカップリング違いを多用せず、どれかひとつで完結しているのでありがたいですね。

 

表題曲である「東京酸欠ヒロイン」は、キラキラしたシンセが美しく響き、キャッチーなメロディを彩っています。

ミクスチャー的なアプローチも取り入れつつ、もっとも伝えたいメッセージをサビでガツンとぶつけてくる印象。

優等生すぎるぐらいに正統派で攻めてきた感はありますが、デビュー曲ということを踏まえれば、王道ど真ん中、ストレートに突っ込んでいく潔さが清々しい。

the Raid.というバンドが、どのようなスタイルで、どのような武器を持っているのか、端的に示していると言えるでしょう。

 

カップリングの「守れない約束」は、表題曲同様にGt.bo_yaさんが作曲を担当。

メロディアスでキャッチー、あえて系統を揃えてきたといったところかな。

インパクトとしては「東京酸欠ヒロイン」に軍配が上がるため、この並びで違和感はないものの、本音としてはメインを喰うぐらいの勢いがあれば。

その点、Gt.由羽さんが手掛けた「オシマイ」は、ゴリゴリなサウンドを意識。

サビでの開放感をかえって強調しており、コントラストも抜群でした。

結果的にバランサーになっている感もあり、こちらがType-Bでしか聴けない楽曲になってしまうのは、少しもったいないような気もします。

 

デビュー直後から、音楽以外の部分でバタバタしてしまったのは不運としか言いようがない。

ただし、音楽で払拭させるだけのポテンシャルの高さは、メジャーシーンでもしっかり示すことができたはず。

世間に暗い話題が多い中で届けられた、希望が込められた1枚です。