退廃的狂葬/グリーヴァ
1. 退廃的狂葬
2012年にリリースされた、グリーヴァのデモテープ。
会場限定版は、タイトルが赤で表記。
通信販売版は、紫で表記されているという違いがあり、それぞれ99本限定で販売されました。
収録された「退廃的狂葬」は、後にミニアルバム「黒イ百合ノ花ト×××」にて再録されているので、現在ではコレクターアイテムと言えるでしょう。
ツタツタと脈打つようなドラムに、発狂シャウト。
"古き良き時代の継承者"として登場した彼らを体現するような楽曲に仕上がっていました。
キメに語りに全部盛り。
それでいて、サビはイチゼロ年代のリスナーに受け入れられるようにメロディアスな要素も持たせるハイブリッド。
これぞグリーヴァである、という1曲ですよ。
もちろん、あえてのデモテープでのリリースというのも、コンセプチュアルなギミック。
録音環境は当時から悪くなかったはずですが、意識的に音質をこもらせている印象も。
当然ながら、再録されたヴァージョンのほうがタイトにまとまっており、ギターソロも華やか。
クオリティで比較したら後者に軍配が上がるのですが、音楽性を踏まえて馴染むのは、カセットテープで聴く粗削りなサウンド、と言えなくもないのです。
音質で勝負できない分、ギミックで工夫を、というのもきちんと再現。
Aメロに見られる、左右にパンを振り切ったヴォーカルが交互に重ねられ、脳が揺らされる感覚は、洗練された再録ヴァージョンでは味わえないのかと。
プレーヤーとの相性が悪かったのか、劣化が激しかったのが難点。
この辺りは個体差もありそうですが、プレーヤーで聴かず、すぐにデータ化するだろう、という時代が反映されていたりするのだろうか。
<過去のグリーヴァに関するレビュー>