Cerebral Ache Collective tracks/ZXS
1. bio feed-back
2. 蟻
3. KARMA
4. 麻薬ノ破片
2000年に999本限定で発表されたZXSのCT。
本作に収録された楽曲は、もともと1999年に発表されたデモテープ「Cerebral tumor 999」のボーナストラックとして制作されたもの。
4曲のうち、1曲がランダムで収録されるというコンプリートが難しい仕様となっていたため、救済策のような形でリリースされました。
ただし、4曲中3曲は、その間にリリースされた1stアルバム「Spiral Code」にて再録済。
若干、今更感があったのは否めませんでしたね。
ハードなインストに、ぼそぼそと呟くような声が重なる「bio feed-back」でスタート。
再録ヴァージョンではインダストリアルな質感が強まっていましたが、生音主体での演奏になっており、だいぶイメージは変わるでしょうか。
続く「蟻」はダークさを纏った疾走チューン。
やはり再録により洗練された印象で、くぐもった音質やミックスバランスの悪さも相まって、アングラ感が前面に出ています。
「KARMA」は、CDでは「因果応報」とタイトルが改められました。
ミクスチャー要素が強く、メロディよりもノリを重視した音楽性は、当時のV系シーンとしては新機軸だったのでは。
特筆すべきは、最後に収録されたスピード感とメロディアス性で突っ走る王道ナンバー、「麻薬ノ破片」。
音がぶつかりあってガチャガチャしている感はあるものの、泣きのギターとツタツタリズムの相性の良さは抜群で、衝動性をバシバシ感じるのですよ。
後に再録はされていますが、特典として配布されたもので入手困難であることは変わらず。
アレンジ違いとはいえ、やや消化不良となっていた前3曲の評価を覆し、この曲のために買う価値があった、と思わせる1曲でした。
発売タイミングがネックになった感はありますが、改めて振り返ると、斬新なアプローチで攻めた「bio feed-back」と「KARMA」、ベタな路線を突き詰めた「蟻」、「麻薬ノ破片」と、むしろ構成は悪くなかったのかと。
クオリティとしてはアルバムに軍配が上がるので、コレクターアイテムであることは変わらずなのですが、それでも聴き比べたいコアなリスナーであれば。
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