6/NICOLAS
1. 警報[SE]
2. 所詮、ウソツキなんです。
3. シロクロ
4. ベビーシッター
5. 鬼火[LIVE]
2021年6月6日、NICOLASが発表した通販限定のミニアルバム。
6尽くしにもかかわらず、収録曲は5曲のみ。
ただし、同時リリースのシングル「RIPENESS」を一緒に収納できるよう、2枚組用のケースを使用しており、クレジット上でも"DISC B"として表記。
2枚合わせて、合計6曲のコンセプト作品と言えるのでしょう。
さて、内容はメンバーがかつて在籍していたJyuLie時代の楽曲の再構築が中心。
デモCDとしてリリースしていた作品から、3曲を再録、1曲をライブテイクで収録しています。
率直に言えば、"大日本異端芸者"時代のガゼットのフォロワーバンドであったJyuLie。
その後、オリジナリティを積み上げてNICOLASとしてリスタートを切っていたわけですが、まさか、過去の楽曲のみでミニアルバムを構築しようとは。
改めて耳にすると、変わっていない部分と、成長した部分がほどよく融合しており、正統進化版とも言える出来栄え。
ルーツとなっていた部分、彼らの底にある部分が凝縮されていると考えれば、新鮮でもあり、奥深さもあり、興味が尽きないアルバムでした。
もっとも驚かされたのは、リード曲的な立ち位置に収録された「所詮、ウソツキなんです。」かな。
JyuLieのデモシングルとしてリリースされた当時は、それまでの哀愁歌謡的なメロディ+ハードなサウンドという路線を捨てて、ライブのノリに特化した"迷走の象徴"として認識していたのですが、なるほど、完成形はまだ先にあったのか。
ぎこちなさが解消され、本来のナンセンスさと攻撃性に磨きがかかると、こうも彼らの良さを主張するキラーチューンに昇華するのだもの。
やりたいことに技術や環境が追い付いてきた今だからこそ、10年近く前の楽曲を最前線に引き上げる意味があったということなのかもしれません。
何はともあれ、当時の楽曲を手に入れることが困難になっている現在、本作を聴かない理由はないはず。
新曲として楽しむも良し、聴き比べて彼らの成長に目を細めるも良し、企画性も含めて多くの人に届いてほしい1枚です。
<過去のNICOLASに関するレビュー>