SHIRAYUKI / クレイドル | 安眠妨害水族館

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SHIRAYUKI/クレイドル

 

1. 果実の毒

2. SHIRAYUKI

3. フユノイロ

 

クレイドルが2014年リリースした限定300枚の会場限定シングル。

 

ex-SHiSHiのVo.玲乃さんが、零ノ名義で在籍していたクレイドル。

当初の"平成歌謡ロック "路線から、"ハイテンション・ソリッド・ポップ "にコンセプトを切り替え、垢抜けることに成功した彼らが送り込んできたのが本作でした。

ハイブリッドなサウンドに、どこかメルヘンチックな世界観。

1曲目のSEは、「果実の毒」というタイトルからもわかるとおり、「SHIRAYUKI」への繋ぐ意図があるのでしょう。

ほんのりダークな要素を混ぜ込んで、本編をスタートさせます。

 

表題曲である「SHIRAYUKI」は、リズムチェンジを繰り返しながら、最終的にはメルヘンポップに帰結。

サイバーな電子音や現代的な言葉遣いを、おとぎ話のモチーフと組み合わせることによって、"本当は怖い"的な不気味さを背後に滲ませているのが面白いですね。

「果実の毒」が、じわじわと伏線として効いているとでも言いますか。

当初はチャラチャラした雰囲気を感じ取ってしまったのだが、実は凝っている構成やダークなフレーズ等、聴けば聴くほど張り巡らされた仕掛けに気付く。

この奥深さには、感心するしかありません。

 

最後の「フユノイロ」は、「SHIRAYUKI」というワードからの連想で白いイメージに続けたのかな。

ストレートにキャッチーさを意識した、少し切ないメロディアスチューン。

こういう曲が彼らから出てきたというのが垢抜けた証拠、とでも言わんばかりのポップネスに溢れていて、疾走感を意識したパートにおいてもメロディが立っているのですよ。

なお、歌モノ2曲については、ベスト盤である「デタラメ。ベスト」にも収録。

リスナーの耳に届きやすくなっているので、気になったらこちらをチェックしてみても良いのかと。

 

<過去のクレイドルに関するレビュー>

キラーチューン

ドク裁純愛記/哀愁参道