南無阿弥ダンス/雪見だいふくの中身になりたい人生だった
1. 南無阿弥ダンス
雪見だいふくの中身になりたい人生だったによる、連続リリースの第三弾。
4週連続で届けられるデジタルシングルも、後半戦へ。
「南無阿弥ダンス」は、言葉遊びから生まれたような不思議なナンバーです。
ハンドクラップからスタートするテンポ感のあるダンスロックである一方、異国情緒がアングラ感を連れてくる。
なんとも独特な世界観を放っているのですよ。
タイトルから想像するほどは、仏教的な要素は感じないのかな。
途中でお経を蘇るようなフレーズも挿入されるものの、あえて軽く仕上げている印象。
また、マイナーコードで進行するせいか、暗さや翳りも含まれており、みんなで盛り上がるお祭り感ともやや異なる。
"踊り念仏"的なパーティーチューンを期待しては、肩透かしにあうでしょう。
ただし、ほんのりとオリエンタルなテイストを感じ取れるアレンジになっていて、何か異質な雰囲気を与えているのは見逃せないポイント。
新興宗教的と言うのか、あるいは宇宙との交信か、未知のものに触れる神秘性を与えているのです。
ともすれば一辺倒である、さの。さんの歌声も、何かそういうものにのめり込んでいるかのような演出になっているから面白い。
結論として、「南無阿弥ダンス」というタイトルは、本作の世界観を絶妙に表現していたのかな、と。
三者三様、さの。さんの引き出しに驚かされる1曲でした。
<過去の雪見だいふくの中身になりたい人生だったに関するレビュー>