Hameln/雪見だいふくの中身になりたい人生だった
1. Hameln
4週連続リリースとなるデジタルシングル第一弾。
ex-アンティック-珈琲店-のBa.カノンさんが、さの。名義で活動しているバンド形式ソロプロジェクト、雪見だいふくの中身になりたい人生だった。
さの。さんは、ベースに加えてヴォーカルも担当しており、その他のパートのサポートメンバーには、ヴィジュアル系バンド時代の盟友たちが参加しているようです。
連続リリースの1曲目は、「Hameln」。
バンドサウンドを活かしつつ、彼らしいデジタルロックに仕上がっていました。
同期を多用しながらも、ギター&ベースの弦楽器の主張が強く、少し懐かしさを感じる音楽性。
ほんのりと切なさを含んだメルヘンなメロディが特徴で、アウトロからの盛り上がりもたまりません。
構成は王道的で、キャッチーなサビは聴きやすさ抜群。
久しぶりに彼の音楽に触れるリスナーにも、彼の音楽であると伝わりやすいのではないでしょうか。
ヴォーカリストとしてのキャリアはまだ浅いだけに、歌唱による表現についてはまだ幅が少ない印象。
ただし、ボカロPとしての活動などを通して、それを活かす音楽も熟知しているとでもいうのか、必ずしもネックになっているわけでもないのですよね。
少なくとも、この楽曲については感情を抑えて歌っているように見えるのが、かえって切ない余韻を連れてくるようなきらいもあり。
やれることをわかったうえで最大効果を発揮する演出を考えているのだとしたら、なかなかの策士と言えるのでは。