Fallin' down/Kneuklid Romance
1. To U in heaven
2. Fallin' down
3. Slow dance(Bonus track / DEMO ver.)
約11年ぶりのリリースとなる、Kneuklid Romanceのシングル。
オフィシャルWEB SHOP限定での販売となります。
2019年に復活を遂げた彼ら。
2011年の一日復活時は、ヴォーカルがthe Raid.の星七さんでしたが、今回の再始動では解散時のメンバーである兒玉裕さんが参加しており、いよいよ本格稼働といった感が出てきましたね。
Dr.GAZさんが亡くなってしまった穴については、ギャロ等で活躍中のkaedeさんが正式メンバーとしてクレジットされています。
「To U in heaven」は、導入となるSE。
スペーシーな雰囲気のサウンドに、ディレイ加工により幻想的に仕立てた女声での語りが重ねられています。
続く表題曲「Fallin' down」は、サイバーなロックナンバー。
作曲がGt.小笠原健一さん、編曲がVo.兒玉裕さんということで、どちらの要素もサウンドに表れているといったところでしょう。
シンセが効いたデジタルな質感と、そこにソリッドさを加える生音の鋭さが絶妙に融合。
ライブで盛り上がりそうな掛け合いもあり、ミクスチャー的アプローチも器用に取り入れていました。
復活バンドとは思えない、現代ロックとしてアップデートされた音楽性。
その意味では、彼らに求めるものによって、評価は変わってくるのかもしれません。
現役時代の延長線上のサウンドを期待していると、あの頃から地続きとは言えないモダンなミクスチャーロックには抵抗があるだろうし、空白の期間における各メンバーの経験を落とし込んで新しいものを作り上げてほしいと願っていたのであれば、見事、その期待に応えたとなるのだろう。
いずれにしても"変化"があるのは事実ですが、このタイミングで意欲的にアップデートを仕掛けているという点を踏まえれば、後者として捉えておきたいですね。
ボーナストラック扱いで収録されているのは、「Slow dance」。
デモヴァージョンということですが、GAZさんが存命時のレコーディングだったようで、あえて完成させずにドロップすることにも意味がありそうです。
バンドサウンドを基盤として構成されていることもあり、現役時代に近い印象。
「Fallin' down」がカチっとハマっていなかったリスナーにも、こちらであれば刺さるだろう。
そんな思惑があったかどうかはわかりませんが、過去と今を繋ぐクッションになっていたことは言うまでもなく。
音質の差を気にしなければ、十分に楽しめる1曲ですよ。
さて、今後も継続して活動していくのかどうかは未知数のKneuklid Romance。
まずは定期的なライブ活動を、といったところかと思われますが、2009年にリリースした前作「SHINE」もアルバム未収録のまま浮いている状態ですし、2000年にリリースされた「RAINBOW」以来のオリジナルアルバムの制作なんかも是非目指してほしいものです。
<過去のKneuklid Romanceに関するレビュー>