-超神推し缶- / Awake | 安眠妨害水族館

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-超神推し缶-/Awake

 

1. 神推しベイビー

2. 未来⇆Rotation

3. あわ物語

4. Dream Rush

5. 約束

 

 

2019年にリリースされた、現時点でのAwakeの最新作。

キャリア初のミニアルバムとなります。

 

2015年にメジャーデビューが発表されたものの、メンバーの脱退等が重なり有耶無耶に。

それ以降はマイペースな活動となっている彼らですが、発売から10ヵ月経ってなおインストアイベントが決定するなど、ロングセラーとなっているのが本作です。

 

Awakeと言えば、キラキラ系全盛期の時代に登場して、お洒落系文化を踏襲したライブパフォーマンスと、メロディーの良さを武器にネクストブレイク枠から上を伺っていた筆頭。

一方で、同系統のバンドも多く出てきたためにインパクトが薄まってしまい、そこから突き抜けるまでは至らなかったイメージでした。

 

しかしながら、なかなかどうして、やり続けることで独自性が高まることもあるものだな、と。

周囲が脱落し、淘汰されていく中、今となっては、このキラキラサウンドと軽いノリは絶滅危惧種に。

相対的に、オリジナリティを感じるようになってきたのですよ。

 

それを見越してか、ダークな方向へとシーンの揺り戻しがある中、デコラティブな衣装に振り切った印象もあり。

可愛く、楽しく、あえてのチャラチャラしたノリも健在で、時代錯誤とも言えるメンバー紹介曲「あわ物語」を聴けば、寄せるのではなく突き破るスタンスを選んだ勇気を感じ取れるでしょう。

もともと音楽性やキャラクターへの好き嫌いははっきり分かれるタイプのバンドではありますが、逆境になっても自らのスタイルを曲げない、ある意味での頑固さがあり、精神性としては、むしろ硬派とも言えるのでは。

 

もちろん、リード曲であるダンスロックチューン「神推しベイビー」や、「未来⇆Rotation」では、Vo.Eru.さんのメロディーセンスが炸裂。

序盤の勢いを作っているし、終盤は、パンキッシュに疾走する「Dream Rush」に、バラード調の「約束」と、タイプの異なる歌モノを用意しており、バランスにも気を配っています。

時代に取り残されているわけではなく、現代的なアップデートもしたうえでのアレンジになっているのもポイントで、これまでシングルが中心のリリースだっただけに見えにくかった地力や安定感が、ようやく顕在化されたと捉えることもできるでしょう。

 

昨今の音楽環境の変化に、彼らがどのような立ち位置を取っていくかにも注目。

ここまできたら、最後の最後までAwakeらしさを前に出して突き進んでいってほしいものです。

 

<過去のAwakeに関するレビュー>

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