Mermaid/ACiD
1. Mermaid
2. Infinity
名古屋を拠点に活動していたACiDの1stCT。
メリーのBa.テツさんが在籍していました。
本作は、1997年の作品。
その後、Loop Ashに所属し、ダークな世界観を武器に活動していく彼らですが、この頃は、ヴィジュアル面もサウンド面も、ソフトヴィジュアル系といった趣です。
表題曲となる「Mermaid」は、波音のサンプリング音を巧みに織り込んだ透明感のあるナンバー。
メロディを奏でるリードギターと、軽快なカッティングで白さを演出するサイドギターの役割分担が明確で、1stとは思えないほど、アレンジの完成度が高かったですね。
既に落ち着きを感じるというか、ミディアム~アップテンポの楽曲を、ここまで安定感をもって聴かせることができるのか、と驚いた。
歌唱力、演奏力も申し分なく、この曲を聴く限りでは、ポストL'Arc~en~Cielを目指す道もあったのでは、と思ってしまうほどですよ。
もう1曲収録されている「Infinity」は、ミディアムテンポの雰囲気モノ。
爆発的に盛り上がることはないけれど、キャッチーなメロディは聴きやすく、軽快なリズムに切なさを駆り立てられる。
こちらも、白系っぽさを感じさせ、クオリティの高さを示していました。
やはり、ツインギターの絡みが絶妙なのだよな。
ジャケットはシンプルなのですが、青を基調として、光が差し込むようなアートワークは、間接的にマーメイドを表現しているようで上手い。
音質面での物足りなさは、90年代のデモテープということで、どうしても感じてしまいますが、総じて高いレベルと言えるでしょう。
その後の音楽性とは異なる雰囲気ではあるので、メリーのテツさんを期待して聴くとギャップを感じるのかとも思いますが、当時の若手ソフヴィバンドを聴くという前提で耳にすれば、期待外れとはならないはず。
比較的、手に入れやすいデモテープですので、カセットを聴ける環境があれば。
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True Mind~傷つきながら~/JZEIL
詳細なレビューは<こちら>
DAIGOさんが率いるJZEILのデモテープ。
彼らも、CDを出す頃にはスタイルが変わり、グラムロック色を強めていくのですが、初期は白系由来のソフトヴィジュアル系っぽさがありました。
時代感、ということでもあるのだけれど、これが王道だったのですよ。
ラルクからの影響、というとDAIGOさんの方が受けている気はするものの、音楽性としては、ACiDのほうがそれっぽいような。
あの白さは、ギターによる世界観作りが重要、ということなのでしょうか。
<過去のACiDに関するレビュー>