儚くサーカス/インビシブルマンズデスベッド
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儚くサーカス
1,620円
Amazon |
1. 儚くサーカス
2. 優しく僕等を侵食してる
3. 月に抱かれて
4. 冷たく燃えてる
5. レゴリス
インビシブルマンズデスベッドとしては2年半ぶりの新作となるEP。
同時にHEREとしてもシングルをリリースするということで、話題になりました。
モリケンイチ氏による、不気味かつ耽美的なジャケットが印象に残る本作。
そのイメージどおり、アングラ感が漂うダークな作風となっています。
HEREとの振れ幅の激しさに戸惑う部分もあるかもしれませんが、復活を望んでいた身としては、きちんとインビシブルマンズデスベッドの音楽を奏でてくれているのが嬉しい限り。
むしろ、アングラ度合いだけであれば、現役時代を凌駕しているのではないでしょうか。
表題曲である「儚くサーカス」は、レトロ感のあるリフが特徴。
賑やかなのだけれど、どこか不穏な空気も纏っており、まさにサーカスを連想させます。
一筋縄ではいかない構成は、演奏面での見せ場を作り出す役割もあるのかな。
暗さは残しつつ、しっかりとキャッチーな側面も見せており、導入としては大成功。
続く「優しく僕等を侵食してる」は、そのままスピード感を活かして、メロディアスに疾走。
あえて力を入れず、さらりと歌おうとするスタイルが新鮮です。
この焦燥感と切なさは、この手の楽曲が好きなリスナーにはたまらないはず。
前半の2曲で、掴みは十分といったところですね。
さて、本作が問題作となり得るのは、ここからの展開が、あまりにマニアックだから。
ワンコードで淡々と進行していく「月に抱かれて」は、ひたすらに沈んでいくようなトリップホップ。
退廃的な世界観を構築すると、淡々と綴られる「冷たく燃えてる」に移行し、更にディープなゾーンに突入します。
極めつけは、一発録音とのことで、本当に即興で制作されたと思われる「レゴリス」へ。
8分弱のインストナンバーで、前半2曲がポップだったと思えるぐらいのダークサイド。
差異化できれば十分、というレベルを飛び越え、圧倒的なサウンドを作り上げてきましたよ。
兎にも角にも、後半のディープさにハマることができれば。
もちろん、前半2曲についても、キラーチューンっぷりは健在。
その意味ではシングルとして楽しむこともできますが、どうせだったら、この濃厚な世界観を堪能したいものです。
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MAGICAL MOONIES/MUNIMUNI
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MAGICAL MOONIES
3,150円
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詳細なレビューは<こちら>
ひたすら暗いロックを展開する、オルタナバンド・MUNIMUNI。
彼らの1stアルバムは、とにかくアングラ感やマニアックさで溢れています。
流行よりも美学を貫き、セオリーを無視して突き進む。
それが耽美で甘美で幻想的にすら思えてしまうのだから、音楽とは面白いものですよね。
「パペポポ」に「フッフー」といった、なんだか可愛らしいタイトルから想像するに、もしかすると、彼らもインビシブルマンズデスベッドとHEREの関係性のように、明るくポップな音楽性を隠し持っているのかもしれないな。
<過去のインビシブルマンズデスベッドに関するレビュー>