めてぃびる。とかくれんぼ/めてぃびる。
1. めてぃびる。とかくれんぼ
関西発ファンタジックラウドポップガールズバンド、めてぃびる。
本作は、2014年にライブ会場や一部の店舗で配布されたシングルです。
ツインボーカル編成のガールズバンド、というシーンでは異質な存在だった彼女たち。
片方が男声に寄せた歌い方でV系的なアプローチを実現し、もう片方がロリータボイスでメルヘンな世界観を高めるという役割分担で、ありそうでなかったサウンドを構築していました。
収録された「めてぃびる。とかくれんぼ」は、チープな打ち込みを多用したデジタルサウンドを味わいとして取り入れたアッパーチューン。
オケだけを聴けば、登場SEにできそうな雰囲気なのだけれど、めてぃびる。らしい声の重ね方により、やはり独特に聴こえてきますね。
ぼそぼそとした台詞っぽいフレーズと、歌メロとしてのフレーズが規則性なく飛び込んできて、これが刺激的。
デスヴォイスのパートだけは、どうしても迫力不足感は否めないものの、サビでのガーリーなテイストは、一般的なメンバー編成のV系バンドでは出せるはずがなく、個性的だったと言えるでしょう。
中盤以降は、メンバー紹介曲として展開。
キャラクターを語ったうえでメンバーコールという流れは、ライブでも再現されていたのかな。
語りの部分の詰めが甘く、もう少しスピードやボリュームを調整してほしかった気はしないでもないですが、何をしたいのかは明白です。
文化論として、メンバー紹介曲はゼロ年代~イチゼロ年代の初旬までに多く見られたが、現在では絶滅危惧種的な存在。
その性質上、コンセプチュアルな作品には馴染まなく、無料配布モノやボーナストラックとして収録されているケースが多かったのかと。
ただでさえ珍しい編成のバンドのメンバー紹介曲。
名曲を期待して耳にする作品ではないですが、相応に貴重な資料ですので、安価で見かけたら手に取ってみてもいいのかもしれません。
⇒ この作品を聴いた人はこんな作品もおススメ!
飴玉ロック/アンティック-珈琲店-
飴玉ロック
2,700円
Amazon |
詳細なレビューは<こちら>
AN CAFE初期の作品集です。
未熟な部分も多く、内容として強くおススメ、というわけではないのですが、セレクトした理由は、メンバー紹介曲の観点。
7曲中、2曲がメンバー紹介曲となっており、完売集的な位置づけがあるとは言え、かなり異色となる構成でした。
それだけ、ライブの定番としてどのバンドもやっていた、ということなのですよね。
シーンを引っ張ったバンドだけに、その時代をパッケージした作品に仕上がっているのかと。
<過去のめてぃびる。に関するレビュー>