V霊-ブイダマ-vol.5@新宿BLAZE(2019.9.15) | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

MIND-V PRESENTS「V霊-ブイダマ- Vol.5」に行ってきました。

キズとDIAURAの2マンに、O.Aでgulu guluという豪華な面子。

特にキズとgulu guluは、まだ見たことがない注目バンドだったので、これは良い機会だぞ、と。

ちなみに、ソールドアウトしていたようですね。

 

 

gulu gulu

 

Vo.哀さんの、気合いが入っているのか、やる気がないのかわからない独特なステージング。

合間に入る、挑発的でもあり可笑しくもありなMCも含めて、彼の変態性はアピールできていたのではないかと。

演奏隊も派手に動き回っていた印象で、インパクトはありました。

退場SEで、ドラムソロが行われるという意味不明さも良いですね。

 

ただし、ややバタついた感は否めず、火が付く頃には持ち時間終了。

メンバーもオーディエンスも消化不良気味だったかな。

もっと丁寧に世界観を作り込んだライブを見に行きたい、と次に含みを持たせるだけのポテンシャルはあり。

欲を言えば、短い時間でもどっぷり浸らせるだけの流れが作れれば、といったところではあるのだけれど、成長の伸びしろと捉えておきましょう。

 

1. 変なメリーゴーランド

2. 轟音とニードル

3. 不味い麻酔

 

 

キズ

 

初見のため、普段がどのような感じなのかはわからないのですが、「ラブソング」でスタートしたのは意外だったな。

序盤は、Vo.来夢さんがギターを持って、淡々と演奏を聴かせるスタイル。

想像していたキズのライブと、まったくイメージが異なるものが眼前で展開され、完全に掴まれました。

もっとも、来夢さんの声量、熱量があるヴォーカリゼーションにより、しっとり、というのも少し違うのですけれど。

 

激しい楽曲についても強く同調を求めず、突き放すような姿勢が心地良い。

オーディエンスに左右されず、自分たちのサウンドを突き付けるのみ、というスタンスが感じられ、楽曲の質も高いですね。

お約束の積み重ねではなく、ひたすら内向的な楽曲と、触れるものを傷つけていくような攻撃性。

このようなバンドが、今のシーンで頭ひとつ抜き出ようとしているのは嬉しい限り。

 

全体的にクオリティが高いのだけれど、一番目を引くのは、Gt.reikiさんでした。

フロントマンを喰うぐらいの派手なパフォーマンス。

特に、「へのへのもへじ」から「おしまい」への流れが熱かった。

終盤では連続でギターをぶん回していて、ギターヒーロー感が半端じゃなかったですよ。

新曲の「黒い雨」も期待できそう。

これだけ引き込むステージをやってくれるなら、ワンマンでも見てみたいです。

 

1. ラブソング

2. 平成

3. 十五

4. ELISE

5. 0

6. 傷跡

7. 蛙

8. 黒い雨

9. 豚

10. へのへのもへじ

11. おしまい

 

 

DIAURA

 

新曲である「FINALE」からスタートし、今の彼らを示して攻め込む姿勢。

とはいえ、他の2バンドと比較して活動歴も長いDIAURAは、経験値の違いを見せつけていた印象です。

攻撃的ではありますが、良い意味でどっしりと構えるような安定感も共存。

攻め込んだ分、隙も出来る、なんてことはなく、さすがの貫禄でしたね。

 

キズとは対照的に、演奏隊はそこまで派手には動き回らず、その分、Vo.yo-kaさんのカヴァー範囲が広いといったところでしょうか。

動きにキレもあり、緩急つけたセットリストの中で、ステージの広さを感じさせないパフォーマンス。

圧巻だったのは、「ヘルグライド」か。

「胎動」から「嘘とワルツを」まで、少しアクセント的な楽曲や、マニアックなナンバーを固めたのだけれど、そこで消化できなかったフラストレーションを一気に吐き出させるように用意された王道的なナンバー。

これを2回まわしすることで、カタルシスを生み出していたのですよ。

 

ラストは「断頭台から愛を込めて」で壮大な余韻を。

前回見たときから間が空いてしまったので、セットリストはほとんど入れ替わってしまいましたが、いつ見ても期待に応えてくれるヴィジュアル系の見本といったスタイルは、今後も貫いていってほしいところ。

"定期的に見たい"から"何度でも見たい"に昇華させるには、変化をどこに求めるかですが、今回のイベントの趣旨からすると、ど真ん中でぶつかっていったのは正解だった気がします。

 

1. FINALE

2. シャングリラ

3. FAKE[s]

4. REM

5. 胎動

6. ENIGMA

7. 嘘とワルツを

8. ヘルグライド

9. is DEAD

10. GARDEN

11. 断頭台から愛を込めて

 

 

会場からアンコールの声はあがっていましたが、本編のみで終了。

3バンドとも、期待値を超えてきた感があって、個人的には満足なイベントでした。

MVPが選びにくい、それぞれ別ベクトルに向いた個性のぶつかり合い。

これらのバンドがシーンの中心にいてくれるなら、次の世代にもヴィジュアル系の魂は受け継がれていくことでしょう。