MAGICAL MOONIES / MUNIMUNI

MAGICAL MOONIES/MUNIMUNI

￥3,150

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1. Tonight with you
2. パペポポ
 3. grotesque
 4. one day
5. spellbound
6. 揺れる影絵-THE SHADOW-
7. Beat for you
8. MOON & THE MOONIES
 9. フッフー
10. KILL ME KILL ME KILL ME
11. 切断

munimuniの1stフルアルバム。
全国流通となっており、TSUTAYAのラインナップに、このアルバムが掲載されていたときはびっくりしたものだ。

それ以前から、90年代前半風の古臭さを狙った手法が多かったのですが、本作では、更にその傾向を強めて、もっと源流的なゴシック・パンクの様相。
ひたすらに、濁って淀んだ、真っ暗な世界。
盛り上げようとも、楽しませようともせず、その世界観の追求だけをした結果、こんな作品が出来上がったといったところでしょうか。

誤解を避けなければいけないので、補足をさせていただきます。
盛り上げない、楽しませないというのは、あくまで、大衆向けの音楽としては、という話。
実際は、コアな人にしかわからない仕掛けが満載なのです。

ドロドロとした演奏には、ポジパン世代からの影響が強いのですが、「わざとやっている」感を出すために、タイトルにポップな言葉を選んだり、歌詞は「いかにも！」というフレーズを持って来たりと、遊び心に溢れている。
音楽の質感として、どす黒いナンバーであるにも関わらず、「パペポポ」とか、「フッフー」だもんな。
実際に、その歌詞を歌ってしまうし、とらえどころがないという側面があります。

サウンド面についても、とにかく、古臭くアングラ臭を漂わすために、80年代だろうが、90年代だろうが、ダークネスに繋がれば、統一感にはこだわらないという姿勢。
80年代ゴシックを彷彿とさせる楽曲の間奏に、90年代王道のクリーントーンのギターソロが挿入されるなど、ひとつひとつを紐解いていくと、実は面白いのですよ。

そして、何よりも密度が濃い。
骨太なスタイルながら、空間系のギターが、音の隙間を埋めていくようなアプローチをとっていて、重さはないのに、音で敷き詰められているような感覚。
ドラム、ベースも、緩急がついていて、単純に格好良いです。
Vo.加納摩天楼さんのフワフワとした歌い方こそ、万人受けはしませんけれど、ただのネタ的なオマージュとは一味違う、本気のリスペクトといったところで、演奏に耳を傾けているだけでも、十分に満足できるかな。

まぁ、結局のところ、内輪ノリという雰囲気からは脱してはいないのだけれど、その内輪ノリを極め尽くしてしまった印象。
これはこれで、もはやバンドの個性として受け入れてしまってもいいのかも。
「フッフー」でのゲストコーラス陣、桜井アヲ（cali≠gari、LAB.THE BASEMENT）、想（emmuree）、aie（the god and death stars.）、ササブチヒロシ（ex.Plastic Tree）、Loki（ex.Sugar）、林田倫堕（ex.KYOKUTOU GIRL FRIEND）、Gazelle（ASYLUM）というメンツを、これは豪華だ！と思えるファン層なら、その内輪ノリについていける気がしてきました。

＜過去のmunimuni（ムニムニ）に関するレビュー＞
フッフー-2nd シーズン/リマスタリング-