屈辱 / インビシブルマンズデスベッド | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

屈辱/インビシブルマンズデスベッド

¥3,240
Amazon.co.jp

1. 屈辱
2. 憎いほど愛撫を
3. 君が僕を忘れるなら
4. 制限
5. 無意識
6. 突・然・変・異
7. 遠雷

蘇生を果たしたインビシブルマンズデスベッド。
実に11年ぶりとなる作品となるミニアルバムがリリースされました。

HEREとしての活動も継続中。
カラーもキャラクターも異なる2つのバンドが併存する形になりますが、良い意味で融合せず、あの頃のままのインビシブルマンズデスベッドで帰ってきてくれたな、と。
暗く激しく。
マニアックでアングラな要素もしっかり詰め込み、ここまでしっかり切り替えができることに、感動すら覚えますよ。

マイナーコードで疾走する表題曲、「屈辱」を聴いた時点で、名盤であることが確定。
そのぐらいのインパクトを残すと、続く「憎いほど愛撫を」も負けじとスピードに乗っていく。
「君が僕を忘れるなら」では、その勢いを殺すことなく、メロディアスな一面も示していきます。
ここまでが前半戦。
導入にはもってこいな流れと言えるでしょう。

後半戦は、よりコアなゾーンへと突入。
「制限」は、どんよりとしたSE。
雰囲気をガラっと変えると、それで溜まったフラストレーションを吐き出すように「無意識」、「突・然・変・異」と爆発していく展開に。
どちらも、ダークでスリリングな演奏が聴きどころなのだけれど、淡々とした構成が徹底された「無意識」と、タイトルを叫ぶフックの部分に盛り上がりを一点集中したような「突・然・変・異」。
魅力が一方向だけではないのが、面白いところですね。

ラストの「遠雷」は、とにかくマニアック。
6分以上、ノイジーで退廃的なサウンドが続いていくのだけれど、ところどころ、美しい鍵盤の旋律が聞こえてくるなど、プログレッシブな空気感もあったりするのだ。
一般受けしそうにはないが、こういう感覚、好きな人にはたまらないのでは。

復活だから、と安易にベスト盤を出さず、新曲ばかりのミニアルバムを持ってくるのが彼ららしい。
もっとも、復活ライブを様子を収録したDVDが付属しているので、代表曲はライブパフォーマンスとともに網羅が可能。
HEREから興味を持った、というファン層にも優しい内容にはなっていると思いますので、迷うなら買い、ということで。
11年のブランクを、まったく感じさせない1枚。

<過去のインビシブルマンズデスベッドに関するレビュー>
追憶の情慾たちへ
接触