IDENTITY / jealkb | 安眠妨害水族館

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IDENTITY/jealkb

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1. &alive

2. try and error

3. Ranker Killer

4. ASTROMEN

5. 海を游ぐ月

6. reboot

7. Reverse Bonito

8. Fight for a renovation

9. Packya Ma Lad

10. IDENTITY

11. Water Color

 

結成から11年、自身のレーベルであるjealizeを立ち上げて"Act2"に突入したjealkb。

本作は、通算で7枚目となるフルアルバムです。

 

格好良い路線で行くのか、面白い路線で行くのか、Act1終盤の作品では腹を括り切れず、やや散漫になっていた部分があった彼ら。

一方で、コンセプトでガチガチに縛って窮屈になっていた時期に戻るわけにもいかない、バンドとして難しいタイミングだったのは事実でしょう。

 

その中で、ここまで自由奔放な傑作を持ってこれるとは。

本来持っていたjealkbらしさ、真面目と不真面目のバランス感覚を思い出した様子。

これは、一度リセットしたことによってやりたいことが整理できたのか、はたまたサポートギタリストだったsapotoさんが正式加入して楽曲のアレンジ力がアップしたからなのか。

いずれにしても、だいぶ贅肉が削がれた印象でした。

 

音楽性としては、ギターロックをベースとして、ラウドに攻めたり、切なく聴かせたり幅を持たせて。

疾走感のあるビートロックや、盛り上がるアッパーチューンなどの得意分野だけでなく、「海を游ぐ月」のようにフワフワとした雰囲気モノが出来るようになったのも、成長の証かな。

演奏力は、素直に向上しているのではないかと。


また、心なしかVo.haderuさんの歌詞が、メッセージ性を増したような。
それは、Jin-Machineの「マグロに賭けた男たち」から影響を受けて作ったという"戻りガツオ"こと「Reverse Bonito」にさえ、あの頃のファンを呼び戻そうという強い想いを感じ取れるほど。
その象徴である「IDENTITY」から、ロッカバラード「Water Color」に繋げるクロージングにも、深い意図がありそうです。

 

目標である武道館公演の実現可否は未知数ですが、再起動となったことで、明確にスパートをかけてきた。

イロモノバンドというイメージを一掃できるぐらいのパワーを持っている1枚。

 

<過去のjealkbに関するレビュー>

ジュアルケービーのコレ買わなくていーんでライブに来て下さいw

ROSES