ジュアルケービーのコレ買わなくていーんでライブに来て下さいw / jealkb | 安眠妨害水族館

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ジュアルケービーのコレ買わなくていーんでライブに来て下さいw/jealkb
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1. UEGEMIGISSA
2. OKK-17
3. 雨と酒
4. 呪縛残滓
5. 塞翁が馬
6. マラチータ
7. 恋する日曜日
8. 徘徊リリス
9. Meccha Holiday Yeah !!
10. 天誅☆あるわけないストーリー
11. FIREBIRD
12. ヒット曲

jealkbの3年ぶりとなるオリジナルフルアルバム。
会場限定で販売されていたCDから、「FIREBIRD」、「恋する日曜日」の2曲もしっかり収録されています。

Vo. haderuこと、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんを中心に結成されたjealkb。
2006年に活動開始してから、何気に長いこと活動が継続されているのですよね。

さて、長く活動していれば、コンセプトや音楽性に変化があってもおかしくはない。
作品名からも、これまでのスタンスからのシフトというのが見てとれるでしょう。
例えそれが古臭くとも、黒服時代のコテコテV系サウンドを踏襲するような音楽性だった彼らですが、「ジュアルケービーのコレ買わなくていーんでライブに来て下さいw」という軽い感じのタイトルのとおり、従来あったダークで耽美な世界観は影を潜め、デジタルポップ色が強まった印象です。

もちろん、それがハマっている部分もあり、全体的には、90年代的なシンセを現代ロックに融合させ、耳馴染み良く仕上げている。
特に、「塞翁が馬」、「徘徊リリス」などは、新境地として捉えれば、バリエーションを増やすヒントになりそうな佳曲。
これはこれで、マンネリ打破のためのチャレンジとして、効いているのも確かなのですよ。

しかしながら、従来の作品にあった"イロモノだと思っていたけど、なかなか良い所突いているじゃない!"という衝撃は薄いかなぁ。
デジタルになったとはいえ、現代V系のキラキラサウンドとも異なる雰囲気。
シーンの研究が徹底されているというわけではなく、これだったら、V系であることを押し出してやる必然性に欠けてしまうというか。

「Meccha Holiday Yeah !!」などを筆頭に、歌詞に芸人色が強く出ているのも、本作の特徴。
これも、好き嫌いをはっきりさせそう。
最初からこの音楽性であれば、"やっぱり芸人さんは面白い曲を作るね"なのだが、これまでが、きちんとV系シーンを理解して、懐古系ファンがワクワクする作品を作ってくれていただけに、やや方向性が見えにくいものになってしまっているのかと。
ネタならネタで、しっかり振り切って欲しかったし、どうも置きに行った感じがしてしまいます。

今までの作品はキャラ作り、この音楽性が等身大、ということであれば、なんだか寂しい。
この手のバンドは、商業的な成功も活動の前提条件だったりするのだろうし、jealkbだからこその個性化を、と考えたときにこういう振れ方をするのもわかるので、難しいところではあるのだけれど。
一時的なテコ入れであれば仕方ないと、ここは割り切って聴くべきでしょうか。

<過去のjealkbに関するレビュー>
ROSES