Cat on the rim / リムキャット | 安眠妨害水族館

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Cat on the rim/リムキャット


1.ストレイタブルー
2.眠らない猫

男女混合カオティックエレクトロロックバンド、リムキャット。
フィールドは非V系となりますが、レクレンズが実質的な母体となって結成された経緯もあり、親和性、関連性の高いバンドとしてご紹介します。

本作は、会場限定でリリースされた1st demoCD。
紙ジャケ仕様で、歌詞は裏ジャケに記載。
2曲入りで500円という価格設定は嬉しい限り。

「ストレイタブルー」は、デジタルサウンドが前面に押し出されたナンバー。
序盤は、インストのような構成になっていて、Vo&Gt.&Prog.クマさんによるエフェクトボイスでの語りが響く。
サウンドは淡々と、悲しげなメロディを奏でているのに対して、クマさんの語りには激情的な熱っぽさがあり、とても印象に残ります。

サビでは、Vo&Gt.栞さんのメロディアスなボーカルが入って。
感情的に高ぶった序盤を救い上げるように、楽曲を落ち着かせる美しい旋律。
クマさんから、栞さんへのバトンタッチすることで、スイッチの切り替えも明確になり、男女ツインボーカルという編成を上手く使っていますな。
雰囲気モノではあるが、シングルとしてもインパクトがあった。

「眠らない猫」は、テンションの高いダンサブルチューン。
明確な歌い分けがあった「ストレイタブルー」に対して、こちらは、有機的にボーカルが絡み合い、カオティックな楽曲に仕上がっていますね。

こちらも、エレクトロサウンドがメインではあるのだけれど、ツタツタと激しく迫るドラムなど、バンドの生音もしっかり主張。
ギターソロまで用意されています。
何気に展開も多く、表情がコロコロ変わっていくのが面白い。
最後のサビ前、唐突にダークな雰囲気に変えるブレイクにはドキっとさせられましたよ。

この2曲を聴く限り、レクレンズの延長線上の音楽性と言えそう。
持ち前の切ない歌メロは相変わらずで、エレクトロサウンドは、より洗練された。
前身バンドからのファンも、ひと安心といったところでしょうか。

もっとも、音楽性の変化や、メンバーチェンジを前提としての解散ではなく、同じスタイルで活動を継続するための手段としての改名だったわけで。
とりあえずは、仕切りなおしの最初の一歩。
ここまでやったのだから、絶対に上を目指してほしいし、結果を出してもらいたい。
間違いなく、格好良いバンドなのだから。