血祭ノ情景/Mercuro
(CT)
(CD)
1. トランス
2. 傍観者
3. 地獄絵図
4. 黒十字
5. シザース
6. 血塗れの招待状
7. 結末
8. 断絶
9. 情景
10. 血祭
MercuroのライブCT & CD。
オフィシャルショップ上での作品タイトルが「血祭ノ情景」となっており、こちらが正式名称となるのでしょうか。
ジャケットには"Chimatsuri no Joukei Live in Tokyo April 13, 2017"や、"血祭ノ情景 ~空想殺戮劇場~"という表記も見られます。
2017年4月13日に池袋手刀で行われた復活後初となるMercuroのライブ。
その様子を収めた音源を、1週間も経たない4月18日にゲリラ発売。
しかも、このご時世にカセットテープでのリリースという異例づくしの作品となりました。
限定100本だったこのCTが1日で完売すると、公演からちょうど1ヵ月後にあたる5月13日に、今度はCDで再リリース。
2nd Pressという位置づけになるのか、別作品という位置づけなのかは解釈次第ではありますが、CTではリリースまでのスピード感を重視して、ライン録りの音をそのまま使用していたのに対し、CDでは外音を採用したうえで家庭用スピーカーに配慮しての処理を加えているので、単純に媒体が変わっただけではありません。
この日のライブは、Vo.Rare、Gt.Hiroshi、Gt.Yukirou、Ba.Aki、Ba.Ioriという編成。
特筆すべきは、やはりツインベースでしょう。
低音を抑える処理が入っているようですが、それでも異質に響くふたつのベースライン、インパクトは強烈です。
普段は主張がぶつからないところでぶつかり合う低音のフレーズは、新鮮な耳ざわりに。
不慣れがときに聴きにくさを感じさせるのだけれど、それも含めて彼らの音楽性との相性は良く、ライブ音源化を即断即決できたのも頷けますよ。
また、Rareさんが歌うMercuroの楽曲は、まだ未音源化のものも多数残っている状態。
「傍観者」のような代表曲的なナンバーが、現体制のバージョンで聴けるというのも嬉しい限りです。
ほとんどの楽曲がライブでは初披露というセットリストだったと思われますが、さすがのキャリア、完全に自分のものにしていますね。
語りも丁寧に再現して、圧倒的な存在感に変えていました。
CDでも出ることを事前に知っていたら、CTを買っていたのかと問われれば悩ましいのが本音。
ただし、CTでのリリースが90年代感を演出するためのギミックと考えたら、ここまでの流れすべてがその一部なのかも。
そうだ、初回盤を完売させてから、2nd Pressでちょっとバージョンアップしたものを出して二度買いさせるのがあの頃ののV系商法。
これはこれで徹底しているな、となんだか懐かしくなったのは贔屓目すぎるでしょうか。
CTではレトロな空気感を意識した雰囲気モノ、CDでは臨場感があって生々しいライブ盤。
収録曲が同じなのに、聴こえ方が違うのは純粋に面白い。
せっかく両方聴けるのだから、それぞれの良さを噛み締めたいものです。
<過去のMercuroに関するレビュー>