NEVER END,CRY / KING | 安眠妨害水族館

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NEVER END,CRY/KING

NEVER END,CRY NEVER END,CRY
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1. NEVER END,CRY

2. FIRE BIRD

3. beautiful world symphony

 

ex-LAIDのボーカリスト、RYOさんによるソロプロジェクト。

ソロからバンドへ、バンドからソロへ、長く続けるためにとその形態を変えていったKINGの、メジャーデビューシングルです。

 

LAIDの勢いを考えれば、ここまでメジャーからのリリースがなかったというのも意外ですが、キャリア20年の中で、初のメジャー進出。

あの頃よりも規模が大きいわけではないものの、地道な活動によって、長く続けることができるアーティストであると認められたということでしょう。

 

2013年からバンドからソロプロジェクトに活動形態を移していますが、サポートメンバーも充実。

LAIDの盟友であるBa.Junichiroさんに加え、wyseのGt.MORIさんに、ex-CLOSEのGt.近藤健次さん、ex-JURASSICのDr.SHINGOさんと、ソフトヴィジュアル系を通ってきたリスナーにはたまらないラインナップです。

キーボードが入る楽曲には、hide with Spread BeaverのDIEさんも参加する豪華っぷり。

それぞれがサポートという立ち位置を超えて、随所で個性を主張していました。

 

デビュー1発目となった「NEVER END,CRY」は、インディーズ時代のシングルのリメイク。

MORIさんが作曲したアッパーチューンです。

ロックンロールなリフが印象的で、疾走感のあるリズムが爽快。

まさにV系バブル時代のソフビバンドがメジャーデビューシングルに持ってきそうな楽曲で、こういうのを待っていた!といったところ。

もちろん、当時の焼きまわしというわけではなく、年齢を重ねて酸いも甘いも経験したRYOさんだから歌える哀愁も感じられますね。

前向きなではあるけれど、その手のポップソングにありがちな同調圧力はなく、彼が歌うから説得力があるのだ。

 

カップリングの「FIRE BIRD」と「beautiful world symphony」は新曲。

ビートロック色を強めて、ライブ映えしそうな「FIRE BIRD」は、ハスキーで男らしいRYOさんのボーカルとの相性が抜群。

パンキッシュに仕上げつつ、キャッチーさも求めた「beautiful world symphony」は、軽やかなフレーズを奏でるキーボードが良い味を出しています。

硬派に攻めるだけでなく、上モノで雰囲気を作っていくのも似合うものだな。

 

今のKINGを凝縮したというシングルは、ベテランらしい地に足が着いた安定感を示しつつも、そこから飛び立つための衝動性も詰め込んで。

結果として躍動感がある活き活きとした作品となりました。

ちょっと高めの年齢層に刺さるV系アーティストのメジャーデビュー。

なんだか面白くなりそうです。