1. Noble King Snake
2. Public eyes
3. 赤い薔薇のスープ
Fatimaが2003年にリリースしたシングル。
1st Pressと2nd Pressが存在し、ジャケットが異なっています。
聴きにくいマニアックなナンバーを連発していた彼らにとって、だいぶとっつきやすくなった印象があったのが、この「NOBLE KING SNAKE」。
大人びてお洒落なサウンドは、決して王道ではなかったのだけれど、本作により彼らにどっぷりハマったというリスナーもいたのでは。
「Noble King Snake」は、ジャジーなノリが心地良い楽曲。
お洒落系バンドが台頭し、どのバンドもこのタイプのサウンドに手を出し始める時期だったのだけれど、レベルの違いを示したといったところでしょう。
Ego-Wrappinの影響が指摘されてはいたものの、V系的な構成にデフォルメせずに押し切ったのは評価したい。
もっとも、パフォーマンス的な面ではシーンとの融合は意識されており、ライターを用いた演出は彼らの代名詞に。
表題曲に持ってくるだけあって、インパクトが絶大でした。
「Public eyes」は、激しく攻撃的な楽曲。
サイレンの音を演奏に取り入れたり、パンを左右にウネウネと振ったりと、遊び心も満載で、単なる煽り曲では終わらせない仕上がりです。
複雑な展開も、Fatimaならでは。
比較的聴きやすさのある２曲に挟まれることで、その強烈な個性が際立っていましたよ。
最後の「赤い薔薇のスープ」もツボ。
ありそうでなかった、淡々と起伏なく進行するアダルティな１曲です。
さらりと聞こえるフレーズのひとつひとつが、実はマニアックで繊細。
Sanakaさんの抑えた歌い方も効いていますね。
キャッチーさには欠けるのかもしれないが、これが彼らの音楽性を底上げしていたといっても過言ではありません。
さて、AREA 20th ANNIVERSARYにて１日復活が発表された彼ら。
果たして、本作の収録曲は演奏してくれるだろうか。
Fatimaの持つ異質な個性を存分に発揮した作品。
1stと2ndで収録曲は変わりませんので、先に見つけたほうを聴いてみれば良いのかと。
＜過去のFatimaに関するレビュー＞
Exit
哀愁の底辺
SSB
Downer