O / minus(-) | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

o/minus(-)

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1. The Victim
2. RZM
3. No_6
4. No_4
5. Maze
6. BEAUTY
7. LIVE
8. Descent into madness
9. No Pretending
10. Peepshow
11. B612 -ver1.1

minus(-)の1stフルアルバム。
藤井麻輝、森岡賢両名によるminus(-)としては、最後の作品となってしまいました。

森岡賢さんの急逝というショッキングなニュースが飛び込んだのは、2016年6月。
残された音源を藤井麻輝さんが再構築して、1枚のアルバムに仕上げたのが本作となります。
もっとも、途中までは二人で制作していたこともあってか、思ったほどフジマキ色に塗り替えられたわけでもなかったかな、と。

内容は、発表済みのミニアルバムから各4曲。
そこに、新曲3曲を足した全11曲となります。
ゲストボーカルを迎えてレコーディングされていた楽曲は、すべてメンバーによるボーカルに差し替えられました。
いや、差し替えられたのはボーカルだけではなく、ほとんど全部、とも言えるのだけれど。

やはり、彼らの面白さは、二人の音楽の折り合わなさ。
デジタルサウンドを駆使し、研ぎ澄まされたビートを響かせているという点では共通しているのだけれど、極端すぎるほどの明暗を浮かび上がらせているのですよ。
暗く冷たいサウンドと、ノリノリのEDM。
アンバランスなのに不思議と気持ち良い音楽の交差が、常にワクワク感を連れてきてくれる。
これこれ、これがminus(-)なのだ。

モリケンさんの死は、あまり作風に反映されていないとは言うけれど、それでも考えてしまうことはたくさんある。
サウンドに奥行きがあるだけに、想像の余地が多分にあるのですよ。
暗い曲にも光が見えるし、明るい曲にも翳りを感じる。
「B612」から「The Victim」にループして聴けば、更にその感覚は味わい深くなっていきます。

minus(-)は、今後も藤井麻輝のソロプロジェクトとして継続するとのこと。
あくまで二人で作ったユニットということで、ある程度、モリケンさんの音楽性も引き継ぐ意図はあるようですが、果たしてどうなるか。
いずれにしても、森岡賢がコンポーズした楽曲、ボーカルをとる楽曲は、これが最後になるのでしょう。
そういう意味でも、マストアイテムとなるだろう1枚。

<過去のminus(-)に関するレビュー>
G
D