はっきよい.ep / HERE | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

はっきよい.ep ※タワーレコード・アマゾン1000枚限定/HERE

¥1,620
Amazon.co.jp

1. はっきよい
2. ああYEAHもうYEAH
3. くらいやがれ
4. CHAOTIC SYMPATHY (2015.9.20 千葉LOOK 「DISK GARAGE presents BORDERLESS TOUR」)
5. アナモルフォーシス (2015.9.22 宇都宮HEAVEN’S ROCK 「DISKGARAGEpresents BORDERLESS TOUR」)
6. MC (2015.9.19 横浜Club Lizard 「DISKGARAGEpresents BORDERLESS TOUR」)
7. 絡みつくような愛をくれてやる (2015.9.19 横浜Club Lizard 「DISKGARAGEpresents BORDERLESS TOUR」)
8. 絶望をブッ飛ばせ (2015.9.27 吉祥寺PLANET K 「吉祥寺INDEPENDENCE DAY Episode 7」)
9. COME ON ~ロックは爆発だ!!!!無敵FACEで会いましょう~(2015.6.13 下北沢CLUB 251 石井卓とジョン中村 Pre.[Body&Soul Vol.1] 1st Mini Album「How low,my friend?」Release Party)
10. HAMPAねえな (2015.7.20 横浜F.A.D 「F.A.D YOKOHAMA presents ”sympathy”vol.6」)
11. メカニックマミ (2015.8.30 川崎CLUB CITTA’ 「CHAIN THE ROCK FESTIVAL 2015」)
12. 煩悩OH NO!! (2015.9.27 吉祥寺PLANET K 「吉祥寺INDEPENDENCE DAY Episode 7」)
13. アモーレアモーレ (2015.9.20 千葉LOOK 「DISKGARAGEpresents BORDERLESS TOUR」)
14. 死ぬくらい大好き愛してるバカみたい(2015.10.2 横浜BAYSIS 感覚ピエロ 1st ALBUM「Break」リリース47都道府県全国ツアー 「KKP47 全国のあなたたちと会いたかった Yes!」-Are you ready?-)
15. ゾッコンROCK ON (2015.9.20 千葉LOOK 「DISKGARAGEpresents BORDERLESS TOUR」)
16. 感情超常現象 (2015.9.23 さいたま新都心HEAVEN’S ROCK 「DISKGARAGEpresents BORDERLESS TOUR」)

2015年にリリースされたHEREのEP盤。
タワーレコードとアマゾンにて1,000枚限定でのリリースとなります。

「はっきよい」は、彼ららしいコミカルとシニカルの狭間にあるロックチューン。
相撲用語が連呼される歌詞にはおふざけ感が出てしまいそうなところなのですが、熱量高いコーラスワークとパワフルな演奏により、素直に格好良いダンスロックとして完成させています。
むしろ、コミカルな部分が耳に残るフックとなっていて、絶妙なバランス。
確かにこれはキラーチューンですね。

続く「ああYEAHもうYEAH」も、踊りやすそうなリズムでノリを求める。
ただし、愚直にも骨太なサウンドで勝負しており、現代の同期前提のデジタルロックとは一線を画しているのがポイント。
ツインギターのコンビネーションが肝となっており、片方がインパクト重視のフレーズを奏でると、もう片方が隙間を埋め、全体的な情報量としては、まったく物足りなさを感じさせません。

疾走感を持って畳みかけるも、ところどころに潜む哀愁フレーズが効いているのは「くらいやがれ」。
性急なドラムに追い立てられるように、感情が洪水のように降りかかってくる。
その後に待っているボーナストラック群に繋げる役割もあるのか、スタジオ音源としてはラストとなるものの、改めて勢いを出していこうとする楽曲に仕上がっていました。

さて、ある意味、本題はここからである。
本作は、3曲入りのシングルで1,500円+消費税。
内容の良さも勘案すれば、十分に満足できる一般的な価格設定と言えるでしょう。
しかしながら、このEPの凄いところは、ボーナストラックとして収録された"ベスト盤的ライブ音源"の存在である。
なんと、12曲ものライブ音源をパッケージし、CD容量の限界である74分42秒に挑戦。
実質的にはアルバム以上のボリュームで、お値段据え置きなのです。

そのライブテイクですが、1本のライブからではなく、2015年のライブからベストテイクを持ち寄る形式。
定番曲を中心に集めつつも、意図的にハイテンションのナンバーを揃えたのか、とにかく熱量を高める構成になっていますな。
そうなれば、聴いているだけで気持ちが昂ってくるのも必然というもの。
言ってしまえば、スタジオテイク3曲については、その後にリリースされた3rdアルバム「ハッスル」にすべて収録されているので、シングルとしての価値は目減りしてもおかしくないのですが、それでもこれを手に取ってほしい理由は、このライブ盤としての充実度なのですよ。
HEREの音楽に触れる入門書としては、密度の濃さ、ボリューム感、価格設定、すべてにおいて完璧な内容。
興味があるリスナーは、在庫が切れる前に手にしてほしい1枚です。

なお、公表されている収録内容に加えて、6トラック目に「絡みつくような愛をくれてやる」への前フリとなるMCが収録されています。
それに伴い、トラック数がズレているのでご留意を。

<過去のHEREに関するレビュー>
死ぬくらい大好き愛してるバカみたい