再会~Story~ / Gackt | 安眠妨害水族館

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再会~Story~/Gackt
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1. 再会~Story~
2. dears(Live Version)
 3. 再会~Story~(Instrumental)

2000年にリリースされたGACKTによるシングル。
ファンからの強い要望によりリリースとなった作品です。

この楽曲は、もともとソロデビュー作であった「Mizerable」に収録されていたもの。
当初の段階で、歌詞やメロディはあったとのことですが、楽曲が先に"降りてきた"ということで、インストナンバー「Story」として、発表されていました。
しかしながら、ライブで披露される歌モノとしての「Story」の評判が良く、「再会~Story~」とタイトルを改めて、シングルカットされたといったところでしょうか。

ストリングスとピアノをメインに、クラシカルなアレンジとなっていたオリジナルのイメージは残しつつ、歌モノとしてのメリハリをつけるために、本作ではバンドアレンジを加えている。
それが、後半での盛り上がりを、よりドラマティックにしていますね。
壮大なバラードと呼ぶにふさわしい1曲。

GACKTさんのボーカルについても、序盤は、囁きかけるように淡々と歌い始めるのですが、サビへと進んでいくにつれて、張りのある声で、しっかりと歌い上げるスタイルへと変化していく。
この辺りの演出は、さすがの一言。
率直に言って、歌詞やメロディにはそこまで斬新さはなく、ベタの範疇に収まるものではあるのですが、彼が歌うことで、シネマのワンシーンになってしまうから、カリスマ性のあるボーカリストというのは恐ろしいものです。

歌メロについては、後付けということもあり、若干強引な一面もありますが、そこはご愛嬌。
間奏での語りが、オリジナルよりも聴き取りやすくなっているなど、メッセージが伝わりやすくなったと素直に捉えるべきか。
音が途切れ、力強い決意に満ちたGACKTさんの声が静寂に響くラストシーンは、鳥肌が立ちましたよ。

カップリングは、「dears」のライブバージョン。
ライブでも、生のバイオリンを取り入れていただけあって、上モノを含めて、臨場感があるっていうのは面白いですな。
ライブならではのテンションの高さがうかがえる一方、安定したスキルにも感心させられる。
現在でも第一線で活躍していることにも納得。
キャラだけではないのだ、というのを見せ付けています。

2曲とも、既存曲と言えば既存曲。
そういう意味では、難しい位置づけのシングルではあるのですけれど、同じアレンジでオリジナルアルバムに収録されているわけではないため、当時は、ニッチなニーズがあった作品。
現在では、「再会~Story~」もベストアルバムに収録され、聞きやすくはなりましたが、"オリジナル盤は全部持っているので、ベストは買っていない"という人は、1曲のためにベストを購入するよりも、こちらを入手したほうが、ライブ音源の分お得かも。

<過去のGACKT(Gackt)に関するレビュー>
MARS
Mizerable