にゃんだふるまっくす / ハイパーポケット | 安眠妨害水族館

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にゃんだふるまっくす/ハイパーポケット
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1. にゃんだふるまっくす
2. アンテナくん
3. にゃんだふるまっくす(カラオケ)
4. アンテナくん(カラオケ)

ハイパーポケットの2013年クリスマスにリリースされた作品。
流通盤としては、はじめてのシングルとなるようです。
ここまで、アルバム作品のリリースを続けてきていたので、シングルとしてどういうアプローチを仕掛けてくるかが気になるところ。

表題曲の「にゃんだふるまっくす」は、タイトルやジャケットを見れば、おふざけ系。
歌詞についても、語尾に"ニャ"をつけているなど、硬派なバンドが好きな人には、なかなか受け入れにくい軽さはあるかもしれません。

しかしながら、内容としては、ハイパーポケットお得意のピコピコポップスど真ん中。
ゲームミュージックのような電子サウンドと、そこにザクザクと切れ込むバンドサウンドとのバランスを上手く保ち、どこかノスタルジックな印象を与えます。
サビでキャッチーに盛り上がって、切ない余韻を与えるあたりは、さすが、シングルに持ってきただけありますね。

飼い主の夫婦が離婚をして、好きだったパパの代わりに、新しいパパが来るというストーリーを、猫の視点から描く。
これ、子ども目線ではヴィジュアル系によくあるテーマなのですが、ペット目線にしたというのは斬新でしたよね。
虐待がどうこうとか、本当の子ともじゃない云々といった、バンドのカラーとは合わない重苦しい要素を排除しつつ、それでも、やはり寂しい、馴染めないといった心の空洞は表現できる。
前述の軽いノリを受け入れられるかどうかは別として、面白いと思いました。

カップリングは、「アンテナくん」。
こちらも、少しふざけたタイトルですが、Vo.ノビ太さんらしい歌詞ではある。
リアリティがあるのか、ないのか、架空の設定での主人公を打ち出し、周囲で巻き起こる事件を傍観している感じ。
サウンドとしては、ピコピコ要素は引き続き強いのですが、ダーク色が強いというか、やや激しさを求めるアプローチがあるでしょうか。

楽曲としてのパンチ力には欠けるかな、というところはあるのですが、アイディア面でカバーしているのかと。
兎にも角にも、誰か怒らないのか?と心配になるジャケットのインパクトは大きいです。
前身バンドでも、ゲームのジャケットのパロディを何度かやっていましたけれど、これほど雑ではなかったはず。
この、あからさまなニセモノ感が、目に留まってしまうのだよなぁ。
気になった時点で、彼らの勝ちですよねぇ。

<過去のハイパーポケットに関するレビュー>
ガンガンいこうぜ
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