RECALL / DIMMDIVISION. | 安眠妨害水族館

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RECALL/DIMMDIVISION.
 

1.Monochronicle(new ver.)
2.Dims In Wonder(new ver.)
3.Window
4.HaS(RECALL ver.)
5.Envy(RECALL ver.)

DIMMDIVISION.の2013年にリリースされたミニアルバム。
Vo&Gt.Yuki Amano、Ba.kazu、Gt.KUMA、Dr.Manabu Saitohという現体制で、過去の楽曲をリメイクする形で制作されました。

内容としては、1曲目から3曲目までが、dim my division名義の頃に発表したシングルから。
特に、3曲目の「Window」は、シークレットトラックとして部分的に提示されていたのみだったため、完全版としては初の収録となります。
4曲目、5曲目は、ミニアルバム「A Day In The Panoramagic」から。

ジャケットと、音楽性がシンクロしている作品ですな。
水彩画のように淡く、しかし、じっくり聴いているうちに、輪郭がはっきりとしてくる。
天野さんの歌も徐々に垢抜けてきて、しっかりと音に溶け込んでいます。
バンドとして、どのような世界観を表現しようと取り組んでいるのか、答えを示すようなミニアルバム。

「Monochronicle」と、「Dims In Wonder」は、ガラっと変わったな。
オリジナルの持っていた渋さのあるロックンロールといった様相は抑え目になり、シューゲイザーテイストが強まった。
そのため、音に広がりが出た気がします。
個人的には、オリジナルの息が詰まるような雰囲気が好きだったので、複雑な気分ではあるのですが、今の彼らには、このサウンドが必要なのだろうな、とも思う。
こちらを先に聴くと、シングルにまでは手を出しにくくなるのかもしれませんが、是非、聴き比べて欲しいですね。

「Window」は、本作における目玉なのでしょう。
シリアスなミディアムバラード。
淡々と音を紡ぐように進行していきますが、ギターソロでは光が差すようなイメージを与えるなど、明暗のメリハリを効かせて、断片的に聴いて感じていた印象を、良い意味で覆していく。
物悲しげで、だけど力強さも読み取れる名曲に仕上がっています。

「HaS」と、「Envy」は、正当に進化を遂げたといったところ。
オリジナルでは、ノイジーで密度の濃いアレンジだったのですが、いくらかシンプルになり、前者はフワフワとした浮遊感が、後者はバンドサウンドによるノリの良さが増した。
もっとも、音に酔いたくなる彼らのサウンドメイクの範囲内ではあるのですが、その中で、楽曲のポテンシャルを引き出すようなアプローチとなったことで、聴きやすくなりました。
マニアック度合いは薄まりますが、ライブも意識しつつ、贅肉が落ちたという感覚でしょうか。

「Monochronicle」、「Dims In Wonder」については、前のバージョンを聴き込みすぎて、今後はこちらがメインになるのかと考えると、残念な気持ちがないわけではないのですが、大局観を見れば、成長がうかがえる一枚。
メンバーはそれぞれ、既にベテランの域に達している面々ですが、それでもまだまだ成長の余地があるのかと思うと、バンドにおける化学反応というのは、面白いものです。
相変わらず、購入ルートが限定的なのがもったいない。
コアなファンだけに留めておくには惜しいバンドなのだけれどなぁ。

<過去のDIMMDIVISION.(dim my division)に関するレビュー>
A Day In The Panoramagic
モノクロニクル/dims in wonder