I 狂 U / 浮気者 | 安眠妨害水族館
I 狂 U (通常盤)/浮気者
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1.I 狂 U
2.忘却の空
3.undermine
4.愛の妙理
5.96
6.rise and fall
SuGのフロントマンである武瑠さんのソロプロジェクト、浮気者。
本作は、ソロデビュー作となるミニアルバムです。
浮気者というプロジェクト名の通り、親交のある他ジャンルのアーティストとの浮気=コラボレーションを数々実現。
ゆよゆっぺ、たむらぱん、0.8秒と衝撃。など、個性の強い面々が、武瑠さんの表現したい世界観に彩りを添えます。
ダンスにヒップホップ、エレクトロなどを取り入れて、バンドでは表現できない新境地に到達。
失敗を恐れないチャレンジ精神が前面に出たといったところで、サブカル色の強い作品に仕上がっているでしょうか。
この「I 狂 U」は、"TOKYOの一夜"をテーマにしたコンセプト作品のこと。
深夜からはじまり、明け方に至るまで、東京の各地で繰り広げられる人間ドラマを、オムニバス形式で歌っていくスタイル。
表題曲は、その総括的なトラックとなっており、"TOKYO"を象徴するようなナンバーですね。
全体感としては、ダブステップ要素の強いエレクトロナンバー。
MVでは、バックダンサーを携えてのダンスを披露するなど、流行、最先端といった部分を、意図的に演出。
そこに、和を感じさせる三味線や和太鼓などの音色が重ねていき、洗練されているようで、実は雑多な東京の夜を表現していきます。
続く「忘却の空」は、SADSのカバー。
エレクトロ風のアレンジでガラっと印象が変わっているので、最初は驚かされましたが、確かに歌い方は清春さんを意識しているかしら。
キッズ時代にはじめてライブで演奏した楽曲のようで、その辺は、知らず知らずということなのかもしれませんけれど。
オリジナルが主題歌となっていたドラマの影響か、池袋のイメージとのことで。
リスペクトと、再構築、どちらもが混在していて、コンセプトにもハマっていますな。
新宿がテーマの「undermine」は、ゆやよっぺさんがコンポーズ。
本作中、もっともキャッチーさがあるというか、盛り上がりがわかりやすいというか。
これが入ることで、他の曲とのクッションになり、「忘却の空」が浮いてしまうことを回避している気がします。
0.8秒と衝撃。提供の「愛の妙理」、たむらぱん提供の「96」は、男女ツインボーカルという編成で、またも新たな化学反応を目指す。
「愛の妙理」は、高円寺がモチーフ。
掛け合いを生かした小気味の良いアバンギャルドさが面白いです。
「96」は、下高井戸でのストーリーと、なんともリアリティのある地名が出てきたな。
淡々と優しいサウンドが心地よく響くのですが、どこかぽっかりと空いた喪失感があって、物悲しい。
最後は、明け方の渋谷。
「rise and fall」は、ヒップホップ色を強めて、アルバムを締めくくります。
ゴシックなストリングスの使い方をしていて、どこか切なさもあって。
「96」からの繋ぎが効いているのだろうか。
V系の王道からは大きく外れて、とにかく、サブカルチャーに触れてみるというアプローチ。
やりたいことはSuGでやっていくと言い切っているとおり、最終的にバンドに還元するために、ソロでしか出来ない経験を積んでいるという意味合いもあるのでしょう。
そこまで割り切ったうえでの作品にも関わらず、ストーリーにはコンセプトがあって興味深く、バックを強力に固めたことでクオリティが高いのだから、これはズルい。
V系リスナーの好みに合致するかは別として、不覚にも格好良いと思ってしまった。
エレクトロに振れている分、ずっしりしたバンドサウンドを期待してしまうと、物足りなさが残るのだけれど、"浮気者"のプロジェクト名に従って、たまには、こういう音楽に浮気してみるのも楽しいかもしれません。
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