堺市の交通まちづくりを考える会 -167ページ目

東京モーターショー (下)

 第41回東京モーターショーでは、海外メーカーを凌ぐ世界最新鋭のエコカーが国産メーカーから出そろった。政治的要素も含め、まずは日本の自動車産業界のエコ化に取り組んでもらいたいと述べた。

 ところで、2009年の炭酸ガス発生量を円グラフにしてみた。温暖化の原因は二酸化炭素だけではないが、手元に資料がないので、記憶を元にイメージグラフを描いた。

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 厳密なグラフではないが、そんなに大きくは違っていないはずだ。概ね4割が自家用車やトラックなどの運輸から二酸化炭素が発生する。次いで産業界からの排出が約4割だ。残りは発電所やその他交通機関、意外に家庭からの排出量が多かったりする。

 鳩山首相は2020年度までに25%の削減目標を国際的に発言したが、グラフではオレンジで示した。今回のモーターショーで賑わったエコカーなる電気自動車やハイブリッド車による二酸化炭素削減をグリーンで示した。10年もたてば概ね自家用車の買い換えが進み、楽観的ではあるが40%ほどの車がハイブリットに買い換えられると予測した。またトラックなどの業務用も、水素や電気をエネルギー源とするものに買い換えられると楽観視した予測である。

 自家用、業務用の自動車すべてを、10年以内にすべて電気自動車に買い換えないと免許取り消しだ!くらいの勢いで整備を進めなければ、どう考えても運輸だけの改善で25%もの二酸化炭素削減は不可能だ。
 これを産業界に押しつけることも、負担の限度を超えていることは自明だ。
 じゃぁ、どうする?堺市お得意の何でもかんでも中心市街地活性化法でマンションラッシュになっているが、マンションには必ず堺ブランドの太陽光発電を助成公金で設置することにしてはどうか? 太陽光発電パネル大量設置に対してマンションの屋根では面積が少なすぎる。こういった場合はやはり戸建てに限る。

 国民みんなで25%削減を目指さねばならないことは承知している。しかし、結局は排出権の購入にならざるを得ないのか。何が何でも自動車産業界の代表である直嶋経済産業大臣が錦の御旗を振りかざし、今すぐにでも電気自動車を大量輸出し、その輸出先から排出権を購入するアイデアもある。いずれにせよ、しばらくの間、自動車産業界は儲かるだろう。その蓄えた体力を持ってして、近い将来の自動車関連徴収税を公共交通に支出いただいきたいし、今の自動車関連に対する優遇措置の先には、将来の公共交通に対する投資を見据えてのことであることを期待したい。

 それにしても鳩山首相は思いきった発言をしたもんだ。

東京モーターショー (上)

 国際会議場コンベンションホールでは第41回東京モーターショーが行われている。それに先だって、主催する日本自動車工業会の青木哲会長が「環境対応技術に加えて、クルマの夢や楽しさを発信させてファンを増やしたい」と開会の挨拶をおこなった。

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 また増子経済産業副大臣は「鳩山政権が掲げる二酸化炭素25%削減は世界が注目する数値で、2020年に向けて国をあげて取り組む中で、これまで日本経済のエンジンとして活躍された自動車の役割は大きく、次世代エコカーの開発などに期待したい」と述べ、「次世代自動車研究会」(仮称)を発足させる方針を明らかにした。
 ちなみに直嶋経済産業大臣は1945年大阪府池田市生まれ、神戸大学経営学部卒業。同年トヨタ自動車に入社。組合活動に参加し、1991年に自動車総連副会長に選出される。1992年に自動車総連推薦で民社党から参議院選挙に比例区で立候補し、当選する。参議院議員(3期)、経済産業大臣。要するに、自動車産業界の代表である。増子経済産業副大臣は自由民主党、新党・みらい、新進党、民主党と衆議院での経験が長い政治家だ。

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 さて、東京モーターショーの中身はというと、世界不況のあおりで海外の主要乗用車メーカーが出展を見送り、英国のロータスとケータハム、独アルピナの3社だけと、前回の26社から激減した。出展企業も全体で109社と前回2007年の半分以下に激減した。
 主催する日本自動車工業会は、入場者数の目標を前回より約42万人少ない100万人と見込んでいる。少しでも来場者を増やそうと、会長開会あいさつ通り、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱、富士重工業が電気自動車といった次世代エコカーや新型車など29台を用意し、毎日先着順で試乗を受け付けるなど、これまでにない東京モーターショーとなっているようだ。

 今回のモーターショーでの特徴は、民主党の増子経済産業副大臣の挨拶が、従来のような大臣の代読によるスピーチではなかったことだ。自民党政権時代ではあり得なかったこと、改めて政権交代の意義を感じた。第一、眠くならない挨拶は聞いていて一番助かる。

 また、今年春におこなわれた中国モーターショーの1500社出店とは対照的であることも特徴。その理由に成熟した日本市場であるということ、また経済情勢が原因であることは想像に易い。逆に言うと、今後、日本市場の中心になるであろう「エコカー」の十分な出店に、海外メーカーは間に合わなかったともいえるのではないか。ホームグラウンドでの国産メーカーは頑張った。

 だとすると、これはチャンスである。日本車の高燃費エンジンは「エコカー」そのものであり、車体の接着技術で車体の剛性を高める技術は、20年以上前から取り組んできた。日本車は軽量高剛性であり、これは「エコカー」の基本といえることと同時に、近年の「エコカー」の基礎を築いたともいえる。そこに電気モーターを用いたハイブリッド車や電気自動車のパワーソースを組み込んだ近年の「エコカー」の技術は世界最新鋭であり、各社国産メーカーのエコカーそろい踏みはその幕開けでもあることが今回の東京モーターショーの特徴である。
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 また見逃してはいけないのがエコカーに供給される「部品」である。日本のエコカー部品、とりわけバッテリーとモーター、加えてそれらの制御部品メーカーの株価は、自動車メーカーよりも敏感に値動きをする。今回のモーターショーでも少なからず会社実績が上がっている。これらの部品メーカーも注視したい。

 自動車産業界の代表である直嶋経済産業大臣の旗振りのもと、規制を設けてでも、まずは日本の自動車排出ガス低減、エコ化に取り組んでもらいたい。十分に体力がついた後には、公共交通に税の振り分けをおこなえばよい。でなければ、またぞろ公共交通はエコだとかいう理由だけで、無駄な路線が延長されたり新設されることは不幸な税金の使い方だからだ。以前から何度も記してきたが、自動車をやめて公共交通に乗り換えてこそ初めてエコにつながる。自動車と共存する公共交通には街育(まちづくり)は不可能だ。

WTCへの府庁移転、 府議会自・民会派がWTCビル購入に賛成方針

 橋下知事が府議会に再提案しているWTCへの庁舎移転について、自民党、民主党は庁舎移転条例案の採決を先送りし、約85億円でWTCビルを購入するための補正予算案に賛成するようだ。本庁舎として利用するか、第2庁舎とするかは、今後協議される。

 3月議会では、移転条例案、補正予算案とも否決された経緯がある。建物だけを先行取得することで、知事にとって移転実現に向けた一歩となるとともに、両会派は内部の対立を回避し、意見集約に時間をかけることができるようになる。なんとも市民目線では歯切れの悪い進め方だ。バブル時期でもあるまいし、建物だけを買って引っ越しは未定ですなんてありえない。意見集約とは聞こえはいいが、ただの時間かせぎの茶番に過ぎない。再来年の統一地方選挙府議会改選に向けての駆け引きに過ぎない。府民は蚊帳の外だ。

 橋下トルネードによる竹山堺市長誕生を受け、橋下知事の「驚異」を感じた自民、民主の府議が腰砕けになっている。建設系の後援を受ける橋下知事の、臨海部の再開発に乗り出す足がかりがWTCへの府庁移転計画である。貧困を創出した新自由主義ともいえる今回の臨海部再開発、府民の民意を得たものなのかを問う必要はないのか?

 よく似たことが、堺でもあった。東西鉄軌道と称した堺西端LRT計画である。街育や自立した堺市の具体的ビジョンもなく、ただただ「悲願の鉄道を作りたい」とする計画だ。地元の反対を受け、強行に推進していた木原前堺市長が市長選終盤になって「LRT凍結」を打ち出した経緯がある。市民目線とは、その中身以上にプロセスが重要であることを再認識させられた選挙戦だった。

 橋下知事、支持率70%を誇るがゆえに上ばかり見て、くれぐれも足下をすくわれぬようお気をつけください。もしくは小泉元首相のように、人気のあるうちに退任されることをお勧めいたします。