200年住宅のススメ -10ページ目

後援会 = 香川

(社)香川県古民家再生協会 
後援会打ち合わせ会議事録          (2012.3.4 佐伯)

下記要領にて打ち合わせ会議が行われました。
日時: 平成24年3月4日
場所: 高松テルサ
参加者:井上幸一氏(オブザーバー) 
    井上秀美氏、丸山氏、横山氏、佐伯
内容 :後援会 発足に伴い、今後の活動内容の打ち合わせを行いました。
    井上幸一氏より講演等行いました。
参加者により、多くの意見が出され、今後の後援会活動における
重要な方向付けができました。以下略↓
    ・冊子を作成→佐伯が下地を検討、
    ・後援会会員を応募する
    ・讃岐古民家100選 の進め
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例会 = 東京

3月度 東京会員の会(関東地区例会)

平成24年3月11日
13:00~16:00
機械工具会館

参加者 大谷・高木・藤倉・井上(敬称略)

1、開会 挨拶                          井上
  全国会員大会皆さんのおかげで成功しました。
  ありがとうございました。

2、現場講習会開催について
  5月の連休明けの土曜日で開催予定
  3月20日までに大谷会員が内容を詰める
  そこまでに纏まらない場合事務局で「民家園」で開催検討する
  4月2日の関東地区会員大会で関東の方に呼びかける

3、グリーン建築推進協議会に関して
  全員会員として
1、 名刺
2、 バッヂ
を携帯するようにする。
また、会報等を多くの場所に置くように心がける

4、 古民家無償貸与の新しい展開に付いて
3・11から1年を迎えて新しい社会貢献を展開したらどうか?
関東地区には多くの被災者がまだ避難しているし、福島地区の方(有る意味関東)はまだ長期間の避難者がいる。
個人個人で新しい生活をすることに不安を持つ人が多い
有る程度のコミュニティーで移り住めるのは「古民家」しかないのではないか?また、「古民家」は有る程度の戸数が纏まっている場合が多いので、
コミュニティーを持って移り住んで頂ける場所も多い
関東地区の会員に呼びかけて、コミュニティーを持った「集団古民家無償貸与」を考えてみたい。
事務局でマスコミプレスなど広報は可能か → OK
事務局で提供「古民家」を集める為の告知を行う。またサイトも修正する。
4月2日の関東地区の会員大会で呼びかけを行う
チラシを作成し、会員で被災地(避難所)で配布する

5、「住育」に関して
  「住育」の説明を行った

6、 閉会

以上

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例会 = 香川

(社)香川県古民家再生協会
讃岐古民家クラブ3月度例会議事録

下記要領にて例会が行われました。
日時: 平成24年3月3日
場所: 高松テルサ
参加者:井上幸一氏 
    上田氏、吉田氏、香川氏、古川氏、三好氏、横山氏、佐伯
内容 :グリーン建築 今後の取り組み、井上幸一氏より講演等行いました。
    その後、参加者によるディスカッション。様々な意見が飛び出し
    県内における活動指針、方向付けができました。

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古民家などに使われている木の種類

古材として流通させてもらっている樹種は、一番多いのが松です。松は油分が多くて粘りがあり、曲げる力に強いので空間を作るために梁や桁(けた)、屋根を支える小屋組みなどの部材で地面に対して水平方向に使われています。次に多いのがヒノキや杉です。この二つは建築材料としてはポピュラーで、針葉樹で木目が真っ直ぐな、やわらかい木材なので加工しやすく柱や内部の化粧材などに幅広く使われています。

そして、大黒柱や内部の直接目にふれる部分に使われるケヤキや桜などの広葉樹の木材があります。広葉樹は木目が美しく床の間の板やフローリング、また家具などにも幅広く使われています。地域によってナラなどの木材が使われていたりとさまざまな種類がありますが、全国的にみて多いのはケヤキと桜になります。

後は水に強い木材としてクリなどがあります。東北の方などに行くとヒバなどもあります。それ以外にも木材の種類は沢山ありますが、古民家に使われている木材の90%以上は、松、ヒノキ、杉、ケヤキ、桜と考えて大丈夫な気がします。つまりこの木材の区別が出来れば古民家を見るときのひとつの楽しみが増えます。

木材の見分け方は使われている部分、木肌・質感で見分けますが、古材の場合には表面も変色していて材木屋さんのプロでも間違ったりしますので、長年の経験を重ねる必要があります。

http://ameblo.jp/ykawakami/page-5.html#main 参照

KD材とAD材

KD材とは蒸気乾燥などで人工乾燥をおこなった構造材を示します。KDは、Kiln Dry(キルンドライ、乾燥炉を使用して乾燥させること)の省略です。ハウスメーカーでは普通に使われている割れない無垢の柱がこれになります。見た目の材面割れを施工者はユーザーからのクレームが来ると考えそれを不良品と判断しています。そのため、人工乾燥は、材面割れの少ない方法で乾燥されています。大きなカマに木材をいれてフタをして加熱して、含有される水分を強制的に蒸発させます。蒸気乾燥は、日本の量産商品では「安価で安定した性能」をもちます。土地が有り余っていれば、天日乾燥の方が安価です。人工乾燥と言っても、乾燥度の異なる木材を混ぜてしまうと過乾燥または未乾燥の材料ができてしまいますので、天日乾燥をしてから乾燥炉に入れるのが一般的です。木を切り出した直後に炉に入れることはあり得ません。

平成12年住宅瑕疵法という法律が施工されて、120℃で処理する高温乾燥(特に、スギの芯持ち材の人工乾燥)が実施され出しました。簡単に乾燥を説明すると、材のリグニン成分を軟化させて、乾燥の進行で材に引っ張りが生じたとき、材面割れを起こさないように処理します。リグニングの軟化温度は、85℃以上です。85℃以上の温度で、約13時間ぐらい蒸し、次に、乾球温度120℃-湿球温度90℃で24時間処理するのが、基本です。リグニングを軟化させること=木の組織結合する組成を破壊させ、強度の成分をなくすことである。また、高温処理=セルロースが糖分にかわり、耐蟻性を落とすとの話もあります。

しかし、日本の住宅は、30年で建て替えているとの現状があります。故に、極論は30年持てば、良いってことなのでしょうか。人工乾燥で、木の組織が落ちようが、木が黒くなろうが、香りが焦げ臭かろうが、間伐材を安く使うには、当然許されることだと国も判断しているのです。

長期耐用住宅にこだわった地域の製材屋は、そのような人工乾燥ではなくて、処理温度の低い低温除湿(処理温度50℃)に変更しています。でもそれでもやはり木材にダメージがある事は否めないと思うので、自然乾燥材をユーザーには提案してもらいたいと考えます。木造建築の良さってどこかと判断したとき、節だらけの、焦げくさい、木肌の焦げた、木の自然さのない木を使うのは誰も望まないと思います。

AD材とは自然乾燥された木材を指します。

自然乾燥では、内部より表面の乾燥が早く進みます。木材は乾燥すると収縮しますから、
表面側がまず収縮しますが内部は未乾燥でもとの体積を維持していますから、表面付近には年輪方向の引っ張り応力が発生し、「ひび割れ」が発生します。
このひび割れは、強度に無関係なのですが、外観の悪さからユーザーに理解が無いとクレームになるので商品の価値がないのです。

強度的には蒸気での人工乾燥は自然乾燥とも同じ強度を保っているとのデータから考えると、多くの方はクレームの少ない人工乾燥を選ばれると思いますが、データには現れない木材の乾燥の仕方で考えれば、たとえ表面が割れたとしても、自然乾燥の方が木は生きていると思います。厳密には樹は切られて木となり、光合成はおこなわれないので生きているとは言いませんが。木材の調湿性などは、木の組織が生きていなければおこなえないと考えるのが普通です。

私が考えるには、出来ればAD材を使用した方が、家は「長持ち」します。


KD材は木材に、高い熱を加えて強制的に乾燥させる方法がほとんどです。そのため、あまり一般には知らされていませんが、木材の繊維が傷つけられて、木材が本来持っている耐久性が無くなります。工務店は乾燥材(KD材)は、グリーン材に比べ強度が有る等といいますが、結局のところ言い訳にしか聞こえません。

http://ameblo.jp/ykawakami/page-5.html#main 参照
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住宅に使われる国内の木材とは2

広葉樹では、
欅(ケヤキ)
日本ではもっとも重要な広葉樹材の一つで、和風の家具を中心として使うことがブームとなっている感があります。全国に造林されていますが、北海道には分布していません。比較的低い処に生育しているので、目に触れ易く、東京都内でも並木として植えられることがあり、府中のケヤキ並木などは有名です。需要が多いため、最近は南洋ケヤキなどといって安い南洋材をケヤキらしく見せて販売しています。年輪の境に大きい道管が環状に配列しているため、年輪がはっきりと見え、肌目が粗くなっています。このような組織のため、成長がよいと年輪幅が広くなり、比重が高く重硬になり、木材の表面は光沢が目立つようになります。成長が悪いとちょうどその逆になり、木材は軽軟になり、光沢が少なくなります。大径になったケヤキには、こぶがあったりするため、木材の中の繊維の配列が不規則になりいろいろな形の「もく」が現れます。美しい「もく」があると、その化粧的な価値が高くなり高価になります。

樟(クスノキ)
本州中南部から四国、九州さらに海外では台湾や中国に分布しています。木材および葉から樟脳油(しょうのうゆ)を採取するために造林されています。樟脳は衣服の防虫剤として広く知られ、昔の箪笥の匂いの元でした。用途としては家具や社寺などなどの建築部材、楽器、箱、彫刻、木魚などに使われます。

桜(サクラ)
ヤマザクラは本州、四国、九州、朝鮮にも分布します。サクラ類には、本州中部以北、北海道、南千島、サハリン、中国東北部、シベリアなどに分布するシウリザクラ、北海道、本州、四国、九州に分布するウワミズザクラをはじめとして、多数の種類、品種があり、木材として利用される量は少なく、貴重な材料となります。ヤマザクラの樹皮の内側からは桜皮と呼ばれる生薬がとれ、煎じて咳の薬としたり、鎮咳薬としても使われます。マカンバあるいはミズメなどのカンバ類の木材のことをサクラあるいはカバザクラ、ミズメザクラと呼んで、あたかもサクラ類の木材であるようにして明治時代から取り扱っていますが、実はカンバ類は色がやや似ている程度で、材面はずっと均一で変化がありませんが、サクラ類はより不均一な材面をもっているため、装飾的な用途により適しているといえます。

栗(クリ)
北海道南部から本州、四国、九州に分布しています。福島、宮城、岩手、島根県などには特に多いとされています。主には食用のクリを採取するために植栽されていますが、建築用木材としても水に強く、硬くて強度があり、しかも耐久性が高いので高く評価されています。柱がクリで建てられている建物などもありますし、水に強いという特性から土台などにもよく使われています。

桐(キリ)
野生のものはなく、北海道南部から南の各地に植栽されています。有名な産地としては福島の会津桐、岩手の南部桐や新潟、茨城などです。桐は高い寸法安定性があり、家具などによく使われます。婚礼家具の代表と言えばやはり桐の箪笥という所でしょうか。かつては「娘が生まれたら、キリを植えて嫁入りのときに伐って箪笥をつくってやる」というようなことも行われていました。そのくらい成長は早く、短期間で木材が得られる樹種でもあります。

楢(ナラ)ミズナラ
北海道、本州、四国、九州、さらにサハリン、南千島、朝鮮などに広く分布し、日本の代表的な産地は北海道です。広葉樹材としては日本のみでなく、ヨーロッパにおいても代表的なもので、フランスのルーブル博物館の展示品の家具のなかには、ヨーロッパ産のミズナラの木材が使われているものがあります。最近日本においても住宅様式の欧風化と本物指向に伴ってミズナラのもつ木材の味わいが見直されるようになり、ミズナラの家具の人気が高くなっているようです。ミズナラの家具はヨーロッパでは高級用材として珍重され、北海道からも厚板に製材して古くから輸出されています。木材の少ない日本から海外へ輸出された珍しい例です。

桂(カツラ)
北海道、本州、四国、九州などに分布していますが最近少なくなってきています。軽軟で、加工がし易いので、家具用材、とくに引き出しの側板としては定評があります。しかし、最近生産量が減り、需要が追い付かなくなってきたため、値段の安い南洋材の中から材質が比較的似ているようなものをナンヨウカツラといった名前で代用することが多くなっています。

楡(ニレ)ハルニレ、アカダモ
北海道に多く、北海道のイメージを現すときにニレとかエルムという名でこの木のが使われています。同じ仲間にはこのハルニレのほかにアキニレとオヒョウニレがあります。幹にコブのあるような場合には、美しい杢(モク)が材面にあらわれ、化粧的な価値が高くなり、その杢のあらわれ方によって色々な名前が付けられています。

掬(ブナ)
北海道南部から本州、四国、九州に分布しています。かつてブナ類は良質材とはされていませんでしたが、蓄積が多く、利用技術の開発が精力的に進められた結果、広く使われるようになりました。板目面ではゴマのような濃い色の点となり、柾目面では帯状の模様(とらふ)となります。保存性が低く、伐採後直ぐに薬剤処理をしないと、変色や腐朽をおこし易いのが難点です。また防腐剤を注入しにくく、鉄道の枕木などに使用するときは、表面に刃物ですじをつけて注入したりします。また、乾燥によって狂いが出易い樹種です。特性としては曲木にしやすい性質があり、曲木家具の代表的な樹種になります。日本のブナは家具として大量に用いられて現在は枯渇してしまい、熱帯材で代替しようとしていますが、今でも曲木部分についてはブナが多く使われています。

椎(シイ) コジイ、スダジイ、
上記の木材は似ているために同じようにシイノキとして扱われていることが多いですが、コジイは本州(関東以西)、四国、九州、沖縄、台湾、中国中南部などに分布しており、照葉樹林の代表的な樹種とされています。スダジイは本州の福島県および新潟県以南、四国、九州、沖縄、済州島などに分布しています。

ちなみに、照葉樹林(しょうようじゅりん、laurel forest)とは、森林の群系の一種で、温帯に成立する常緑広葉樹林の一つの型を指す。構成樹種に葉の表面の照りが強い樹木が多いのでその名がある。

木材の種類については(財)日本木材総合情報センターWEBサイトを参考とさせて頂きました。

http://ameblo.jp/ykawakami/page-6.html#main 参照

例会 = 香川

(社)香川県古民家再生協会
讃岐古民家クラブ2月度例会議事録

下記要領にて例会が行われました。
日時: 平成24年2月27日
場所: 高松テルサ
参加者:河野氏 
    市田氏、松野氏、弘瀬氏、武知氏、横山氏、佐伯
内容 :ITの利用、使い方
    河野氏より、ITの使い方利用の仕方について講習を受けました。
   参加者7人で、今後のソーシャルメディアに関する疑問や
   方向性。利用の仕方を約2時間議論しました。
   大切なことを学んだと思います。

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木材の食害について

木材を食害する害虫としては

ヤマトシロアリ 日本全国に分布、土台など湿材の辺材を食う
イエシロアリ 神奈川県以西に棲息、春材部を食う。被害甚大
ヒラタキクイムシ ラワン、ならなど広葉樹の辺材を食うなどがあり、

日本には自然界では枯れ木の中に巣穴を作って生活しているヤマトシロアリと、地下に穴を掘り、木くずや土でかためられた大きな巣を作るイエシロアリの2種類が有名です。

ヤマトシロアリは表面に木くずを積み重ねたトンネルを造りながら木食べて移動していくが、広い面積を食べることは少なくイエシロアリに対して被害は少ないです。日本全国に分布していて、土台など湿材の辺材を食べます。

一方のイエシロアリは神奈川県以西に棲息しており、地中の巣の中に女王がいて、この巣を中心にしてトンネルをあちこちに掘り、建物に食害が及ぶ場合には大きな被害が出ます。巣を発見して摘出することによって被害の進行をある程度止めることが出来るものの、根絶は非常に難しい厄介者です。

南西諸島では、本州などに比べシロアリの種数は遙かに多く、地下に巣を作り、オオシロアリタケというキノコと共生関係にあるタイワンシロアリや、樹上にスイカほどもある大きな巣を作るタカサゴシロアリなど、面白いものが10種以上も生息しています。日本最大のシロアリは、鹿児島以南に生息する大シロアリという種類で2cm程度の大きさに成長するようです。

シロアリに侵され易い木材の種類としては、松、杉、もみの木、とうひ、かば、泥やなぎなどがあり、逆にシロアリに侵され難い木材はチーク、くす、けやき、かし、ひばなどがあります。

シロアリ以外での木材の害虫と言えばヒラタキクイムシが有名です。このほか、ナガシンクイ科やシバンムシ科の木材害虫やタマムシ類やカミキリムシ類など多数います。ヒラタキクイムシは、夜に活動する体長が3~8mmと大きさはまちまちの茶褐色で細長い昆虫です。1年に1回程度発生し、成虫になってからの寿命は3~5週間程度です。成虫が木から脱出する時に木粉や糞を虫孔から排出するため、食害にあった木材の下に盛り上がった白い粉を見つけて被害に気が付くことがほとんどです。最近は暖房の普及によりアフリカヒラタキクイムシという種類が増えつつあるようです。アフリカヒラタキクイムシはヒラタキクイムシより繁殖力が旺盛で、年に数回発生し、日中に飛翔します。またアメリカヒラタキクイムシという種類も主に関西地方で発生しており、最近国内に侵入したものだそうです。逆に、ケヤキヒラタキクイムシ、ナラヒラタキクイムシなどの広葉樹の木材を加害していた種類は暖房の効いた部屋よりも、外気温に近い環境を好むため最近の住宅での被害は少なくなってきているそうです。虫害を見つけるには直径2mm程度の穴が木材の表面に空いていないかどうかを探して、穴に殺虫剤を噴射して駆除していきます。木材表面に殺虫剤を分蒸しても穴の中の虫を駆除する事は出来ませんが、新たな産卵を避ける効果はあるようです。

シロアリによる被害は、ヤマトシロアリかイエシロアリなどの種類によって、食外箇所および激しさが異なりますが、防蟻対策の基本は、直接的にはシロアリの建物への侵入阻止、間接的には、木材の湿潤化防止となります。

効果的な防虫の方法としては、

・床下と外壁周囲の地盤に対して、防蟻剤で土壌処理をする。処理方法としては、散布法、混合法、加圧注入法があります。

・ 床下にコンクリートを打ち、防湿をはかると共に地中からシロアリの浸入を防止する。

・基礎と土台等の間に、防蟻板等を設ける。

・木材に対してはクレオソート油などの防腐剤などで処理するなどの方法があります。

木材を住宅で使う際のもうひとつの心配事は、木材が燃えるという事でしょうか。確かに木材は燃えますが、木材の燃焼は以下のプロセスをたどります。

約160℃:可燃性ガスの発生
約260℃:口火を近づけると引火――出火危険温度
約450℃:口火なしで発火する――発火点

柱などの場合、火災時には表面が燃えますが、燃焼とともに炭化します。炭化する事で燃焼のスピードは鈍りますのでもし万が一火事になったとしても逃げる時間は稼げますのであわてづ迅速に避難する事が大切です。


最後に雑学として木の重さの測り方を書いておきます。
物の重さは、体積×比重(あるいは密度)で測ります。

木材の比重は含水率によって変化しますが、一般的には15%の含水率時の
比重を使い計算されます。

杉は0.38、ケヤキは0.62という数字が使われてます。 ケヤキには0.62(0.47~0.84)という数字もあり、産地や木目の緻密さなどによって違ってくるかと思います。

たとえば長さ200cm×幅10cm×厚み10cmの欅の場合

200(cm)×10(cm)×10(cm)= 体積は20000cm3で、
比重が0.6とすると、20000×0.6÷1000=12kgとなります。

意外と簡単な計算方法なので例えば家にあるテーブルの天板などの重さを量ってみると面白いかもしれません。

参考までに含水率15%のほぼ気乾状態の他の比重を書いてみると、
松の比重 0.54~0.57
杉 0.4ぐらい
ヒノキ 0.4ぐらい
ケヤキ 0.62
桐 0.29となります。

http://ameblo.jp/ykawakami/page-6.html#main 参照

住宅に使われる国内の木材とは

住宅に使われる国内の木材の種類を書き出してみると

針葉樹なら、
アカマツ、クロマツ
松は本州の北部から四国、九州、屋久島にまで広く分布しています。アカマツとクロマツの区別の仕方は、アカマツは、一般的に海辺から離れた場所に多く、対してクロマツは海辺に近い処で見られ、海岸の防風林として広く造林されています。また、両者の間の雑種のアイグロマツと呼ばれるものもあります。

カラマツ 
冬に葉が落ちる松で海抜が1000mを超えるような場所にあります。樹形はやわらかいイメージですが、木材は褐色で硬質な感じがします。

檜(ヒノキ) 
白い木目は寺社仏閣によく似合い、多用されたことから高級なイメージが付いたのだろうと思いますが、年輪がはっきりとはしていない均一で加工しやすい材料のため、非常に多くの用途に使用できる木材です。仏像や浴槽などにも使われます。独特の匂いがあり、かんななどで綺麗に仕上げると美しい光沢が出てきます。

杉(スギ) 
最近は人工造林されたものがほとんどですが、屋久杉や秋田杉、吉野杉などの有名な産地も多く、柾目だけでなく、板目や杢目などの美しい様々な表情を見せてくれる木材のひとつです。匂いも良く、和菓子の箱などを思い浮かべてもらうとわかると思います。割り箸から高級な天井の板まで様々な用途で幅広く使われているオールラウンダーです。

一位(イチイ) 
古くは宮廷で高い地位のある人が用いる笏(衣冠束帯に着飾ったひとが手にする細長い板)の材料として知られています。昔は鉛筆の軸にされたこともあるようです。

栂(ツガ) 
モミの木と共に山の比較的低い所で林となっている事が多く、成長が遅いために年輪の幅が狭いのが特徴。最近は米栂(ベイツガ)が代用されていますが、米栂は年輪の間隔が広い。関西地方では建具の材料としてよくつかわれました。

イチョウ
幹線道路の街路樹などでなじみの深い、秋の黄色い葉が思い出される木です。葉は幅広いので広葉樹と思っている方も多いですが、あくまで針葉樹に分類されています。年輪があまりはっきりしないやや黄色みがかった白色の木材です。建築材料としてはあまり多く使われていませんが、木目が精密で加工しやすいため、たとえばまな板や漆器などに使われています。

サワラ 
サワラと聞くとお魚を思い出しますが、限られた地域にしか無い珍しい木の一つです。サワラに似た木材として北アメリカから輸入されている米松(ベイマツ)があり、サワラの中のトガサワラと見た目の違いがわからないので書いてみました。

イヌマキ 
イヌマキは暖かい地方に多い木で、静岡では茶畑の垣根などとして植えられていたりします。年輪はよく見ないとわからないぐらいぼんやりとした薄い褐色の色をしています。シロアリに強い木材なのでシロアリの害に悩まされていた沖縄などでは貴重とされています。

エゾマツ 
本州の松はアカマツやクロマツがありますが、北海道には松は無いのでしょうか……そんなことはなくて、北海道だけにあるのがエゾマツです。北海道にはもうひとつトドマツというのがあります。木肌は桃色ですが、空気に触れているとだんだんと色が濃くなってきます。匂いのない木で松ではおなじみのやにも少ないので、バイオリンやピアノなどの楽器につかわれたりします。


ネズコ 
最近の住宅でよく耳にする米杉(ベイスギ)という木がこれに最も近いものになります。本州北部から四国、九州までに分布しています。心材(しんざい)と呼ばれる木の中心部分と、辺材(へんざい)と呼ばれる周辺部の輪郭がはっきりしていて年輪もよく見えます。天井の板などに使われたりします。

榧(カヤ) 
茅葺き屋根などに使われる茅(カヤ)とは植物の事で、茅という植物は実際にはありません。ススキや葦(ヨシ)などの植物も用いて葺いた屋根の事です。ここの榧(かや)とは温暖な地域にある木で果実が食用になります。耐久性がありシロアリにも強いのですが、成長が遅いので建築にはほとんど使われていません。基盤などに使われているそうです。

ヒバ、アスナロ 
アスナロという言葉は明日はヒノキになろうという希望を込めた名前で、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。ヒバは能登の方ではアテとも呼ばれています。強い匂いが特徴で、匂いで他の樹種と区別することができ、この匂いの成分ヒノキチオールは養毛剤にも使われていたりします。水にも強い材料ですので腐りやすい土台や風呂桶などに使われています。

http://ameblo.jp/ykawakami/page-6.html#main 参照

木材について

木材についてもう少し詳しく書くと、木材の組織は外側から樹皮、形成層、辺材、心材、樹心と分類され、住宅に使用する際にはなるべく乾燥したものを用いたほうが良く、ただちに荷重を受ける場合の平均含水率は20%以下にする必要があります。乾燥の目的は強度的な機械的強さの増進以外にも重量の軽減、使用後の収縮、干割れ、反り、狂いの防止、腐朽の防止、塗料、注入剤の効果増大などがあげられます。木材の強度は含水率とヤング係数を用いて判断していきます。

含水率に関しての強度の変化は下記の図のように30%を境に30%より大きな場合の強度はほぼ一定となり、含水率が30%以下に下がって行く場合は乾燥とともに強度は増大していきます。

構造用の木材はなるべく乾燥したものを用いたほうが良く、ただちに荷重を受ける場合では平均含水率は20%以下としなければなりません。乾燥の目的は重量の軽減、機械的強さの増進、使用後の収縮、干割れ、反り、狂いの防止、腐朽の防止、塗料、注入剤の効果増大などがあげられます。
木材の強度は許容応力度として設計に用いる場合はヤング係数を使用する事が多く、木材の繊維方向のヤング係数は鋼材のおよそ1/20程度となります。

* 許容応力度とは部材が破壊されない安全な強度の事で、圧縮や引っぱり、曲げ、せん断やめり込みなどについて調べて得れた数値を指す。住宅などの構造物は、耐用期間中に予想される様々な地震や風圧、水圧、土圧など外力に対し、構造物の各部材に抵抗する力が生じます。この抵抗する力に対して、部材には応力度が発生することになり、この応力度が定められた数値を超えないように定められた構造計算上の限界点を「許容応力度」といい、2006年6月の建築基準法の改正で許容応力度計算に関する荷重や外力によって生じる力や層間変形角、保有水平耐力の計算方法などの規定の見直しが行われました。


また強度は含水率にとよっても変化し、含水率が繊維飽和点(含水率約30%より大きな場合の強度はほぼ一定であるが、含水率が繊維飽和点以下の場合の強度は乾燥とともに増大して行く特性があります。

木材の強度的な欠点と考えられるのは節、丸身、繊維の傾斜(目切れなど)、割れ、曲がり、ねじれ、入皮(材中に樹皮が入りこんだもの)、あて(色が濃く繊維素が少ない異常生長部分をいう)、かなすじ(材中に鉱物性結晶が沈積したもの)などがある、特に節による影響は最も大きい。

含水状態は下記のように区分され、

飽和含水状態――含水率30%以上。細胞腔には自由水、細胞膜には結合水が満たされた状態

繊維飽和点――含水率約30%、細胞腔には水がなく、細胞膜は飽水の状態
気乾状態――含水率13~17%、細胞膜に大気中で乾燥しない若干の水を残した状態

全(絶)乾状態――含水率0%、細胞腔・細胞膜ともに水はない

含水率による伸縮については含水率が繊維飽和点以上では伸縮は起こらないが、繊維飽和点未満では含水率の増減にほぼ比例して伸縮します。また、比重の大きい材ほど細胞膜も厚く容積変化が大きく、部位ごとの伸縮では樹幹(繊維)方向の伸縮が最も小さく最大で0.1~0.3%程度、年輪の半径方向(まさ目)  
は樹幹方向の5~10倍、年輪の円周方向(板目)は樹幹方向の10~20倍も伸縮します。

古民家などの木造住宅の骨組みは木で出来ています。木の良さは、たとえ伐採されて木としては生きていないとしても湿気を吸ったり吐いたりすることや、伐採されてから木材が乾燥していく事で強度が増すなどの特性がありますが、欠点は腐朽です。木材は腐朽菌(ふきゅうきん)やキノコが繁殖することや、バクテリアなどに分解される事で腐朽(ふきゅう)したり、シロアリなどの食害により長持ちしないと思われるユーザーは多いのですが、時間が経過するだけで木材は腐って行くのではなく、腐朽菌や昆虫等が木材を腐朽させる条件としては、空気(酸素)、湿気(水分)、温度、栄養が必要となり、どの因子が欠落しても木材の腐朽は進まないのです。という事はどれかをカットすれば木は朽ちる事なく使用する事が出来ます。栄養は木そのものが栄養源となるのでなくす事は出来ないため、実際は空気、湿気、温度をどう管理していくかになります。また、木材の腐朽の進み具合は、樹種や使用環境によって大きく異なります。腐朽の進まない樹種としては、ヒノキやクリ、ケヤキなどが有名です。
使用環境によって例えば室内では水分が、水中では空気(酸素)が供給されにくいため、木の腐朽は進みません。ただ水中でもフナクイムシ(船食虫)という二枚貝の仲間が付着すれば腐朽してしまいます。

建物でも床下などの地面と接する場所や外壁など雨で直接濡れる部分などは腐朽しやすい場所ですし、キッチンやお風呂などの水回りは水道管が結露したり、経年変化などで漏水を起こしたりして腐朽が急激に進む可能性があります。

腐朽菌繁殖の条件は
1、適当な温度(20~30℃、25℃前後最適である)
2、高い湿気(相対湿度は高いほどよい、木材の含水率は20%以上、50~100%最適である) 
3、空気の供給
4、栄養分

腐朽しないような防腐の方法は

湿気を帯びない、気乾状態まで良く乾燥させる 
水中に浸せきする=空気を遮断するなど 
住宅ではクレオソート油などの防腐剤を塗布する事で腐朽しない対策がとられます。

建物に使われている構造材が腐朽すると、特に地震時などには建物が非常に危険になるおそれが大きく、注意が必要です。建物の腐朽には湿気(水分)の存在が大きく関係していて、一度湿るといつまでも湿ったままになっている部分にある木材が腐朽しやすくなります。

このような場所は、日当たりや風通しの悪い廊下や建物の北側や、雨にさらされる部分外壁の地面に近い部分や、雨もりを起こしやすい屋根裏や外壁、それに水回りや外壁の内部などの結露しやすい部分になります。 住宅を長持ちさせるには、

床下の高さを確保して床下などの湿気やすい場所の風通しを良くしたり、
敷地内の排水を良くする。

土台などには、耐久性の高いヒノキ、ヒバの芯持ち材などを使用する。

基礎の高さを高くすることにより、土台および床組などの木材を地盤から離し吸湿を防ぎ、また、こうすることにより床下換気も促進され防蟻対策にもなる。

外壁をモルタル塗とりなどとする場合は、下地に防水紙等を用いる。

屋根の妻壁部分に換気口を設けて小屋組みの換気をよくする。

台所や浴室等のタイル張り、石張り、モルタル塗壁およびモルタル塗にした外壁などでは、一度水分が壁体内部に浸入した場合、乾燥が非常に遅くなるので壁体内の換気が十分に行えるような構造にして、木材の乾燥をはかることが大切です。

http://ameblo.jp/ykawakami/page-7.html#main 参照