木材の食害について | 200年住宅のススメ

木材の食害について

木材を食害する害虫としては

ヤマトシロアリ 日本全国に分布、土台など湿材の辺材を食う
イエシロアリ 神奈川県以西に棲息、春材部を食う。被害甚大
ヒラタキクイムシ ラワン、ならなど広葉樹の辺材を食うなどがあり、

日本には自然界では枯れ木の中に巣穴を作って生活しているヤマトシロアリと、地下に穴を掘り、木くずや土でかためられた大きな巣を作るイエシロアリの2種類が有名です。

ヤマトシロアリは表面に木くずを積み重ねたトンネルを造りながら木食べて移動していくが、広い面積を食べることは少なくイエシロアリに対して被害は少ないです。日本全国に分布していて、土台など湿材の辺材を食べます。

一方のイエシロアリは神奈川県以西に棲息しており、地中の巣の中に女王がいて、この巣を中心にしてトンネルをあちこちに掘り、建物に食害が及ぶ場合には大きな被害が出ます。巣を発見して摘出することによって被害の進行をある程度止めることが出来るものの、根絶は非常に難しい厄介者です。

南西諸島では、本州などに比べシロアリの種数は遙かに多く、地下に巣を作り、オオシロアリタケというキノコと共生関係にあるタイワンシロアリや、樹上にスイカほどもある大きな巣を作るタカサゴシロアリなど、面白いものが10種以上も生息しています。日本最大のシロアリは、鹿児島以南に生息する大シロアリという種類で2cm程度の大きさに成長するようです。

シロアリに侵され易い木材の種類としては、松、杉、もみの木、とうひ、かば、泥やなぎなどがあり、逆にシロアリに侵され難い木材はチーク、くす、けやき、かし、ひばなどがあります。

シロアリ以外での木材の害虫と言えばヒラタキクイムシが有名です。このほか、ナガシンクイ科やシバンムシ科の木材害虫やタマムシ類やカミキリムシ類など多数います。ヒラタキクイムシは、夜に活動する体長が3~8mmと大きさはまちまちの茶褐色で細長い昆虫です。1年に1回程度発生し、成虫になってからの寿命は3~5週間程度です。成虫が木から脱出する時に木粉や糞を虫孔から排出するため、食害にあった木材の下に盛り上がった白い粉を見つけて被害に気が付くことがほとんどです。最近は暖房の普及によりアフリカヒラタキクイムシという種類が増えつつあるようです。アフリカヒラタキクイムシはヒラタキクイムシより繁殖力が旺盛で、年に数回発生し、日中に飛翔します。またアメリカヒラタキクイムシという種類も主に関西地方で発生しており、最近国内に侵入したものだそうです。逆に、ケヤキヒラタキクイムシ、ナラヒラタキクイムシなどの広葉樹の木材を加害していた種類は暖房の効いた部屋よりも、外気温に近い環境を好むため最近の住宅での被害は少なくなってきているそうです。虫害を見つけるには直径2mm程度の穴が木材の表面に空いていないかどうかを探して、穴に殺虫剤を噴射して駆除していきます。木材表面に殺虫剤を分蒸しても穴の中の虫を駆除する事は出来ませんが、新たな産卵を避ける効果はあるようです。

シロアリによる被害は、ヤマトシロアリかイエシロアリなどの種類によって、食外箇所および激しさが異なりますが、防蟻対策の基本は、直接的にはシロアリの建物への侵入阻止、間接的には、木材の湿潤化防止となります。

効果的な防虫の方法としては、

・床下と外壁周囲の地盤に対して、防蟻剤で土壌処理をする。処理方法としては、散布法、混合法、加圧注入法があります。

・ 床下にコンクリートを打ち、防湿をはかると共に地中からシロアリの浸入を防止する。

・基礎と土台等の間に、防蟻板等を設ける。

・木材に対してはクレオソート油などの防腐剤などで処理するなどの方法があります。

木材を住宅で使う際のもうひとつの心配事は、木材が燃えるという事でしょうか。確かに木材は燃えますが、木材の燃焼は以下のプロセスをたどります。

約160℃:可燃性ガスの発生
約260℃:口火を近づけると引火――出火危険温度
約450℃:口火なしで発火する――発火点

柱などの場合、火災時には表面が燃えますが、燃焼とともに炭化します。炭化する事で燃焼のスピードは鈍りますのでもし万が一火事になったとしても逃げる時間は稼げますのであわてづ迅速に避難する事が大切です。


最後に雑学として木の重さの測り方を書いておきます。
物の重さは、体積×比重(あるいは密度)で測ります。

木材の比重は含水率によって変化しますが、一般的には15%の含水率時の
比重を使い計算されます。

杉は0.38、ケヤキは0.62という数字が使われてます。 ケヤキには0.62(0.47~0.84)という数字もあり、産地や木目の緻密さなどによって違ってくるかと思います。

たとえば長さ200cm×幅10cm×厚み10cmの欅の場合

200(cm)×10(cm)×10(cm)= 体積は20000cm3で、
比重が0.6とすると、20000×0.6÷1000=12kgとなります。

意外と簡単な計算方法なので例えば家にあるテーブルの天板などの重さを量ってみると面白いかもしれません。

参考までに含水率15%のほぼ気乾状態の他の比重を書いてみると、
松の比重 0.54~0.57
杉 0.4ぐらい
ヒノキ 0.4ぐらい
ケヤキ 0.62
桐 0.29となります。

http://ameblo.jp/ykawakami/page-6.html#main 参照