長男から誕生日プレゼントにもらった駆逐艦“雪風”のプラモデルは1/350なので全長30㎝もあるためフルハウ(スクリューなど艦底まで製作してスタンドに立てる)とし、別途1/700モデルを購入して、こちらはウオーターライン(喫水線)にして海洋ジオラマに浮かべる製作方針とした。(*1)


一般的にプラモデルは部品の組立てや接着より、塗装が極めて重要で手間も時間もかかるもの。塗料もラッカー系、エナメル系、アクリル系等数種類あり、塗り方も筆塗り、スプレー缶、エアブラシと様々。これらを全部揃えたらキリがないしそんなにお金もかけられないので最小限で済ませたい。

 【船体色のラッカースプレーの塗装前(左)と後(右)】

基本的には軍艦は殆どが船体色だから2艦とも同じ船体色のラッカー系スプレーを1缶買って吹く。あとは水性アクリル塗料を最小限購入し混ぜて色を作って筆で塗ろう。重ね塗りする場合は順番や相性があるがラッカー系塗膜の上なら何を塗っても剝げたりプラスチックが割れたりしないだろうし。

次に面積が大きい甲板(デッキ)の一部には耐熱性と遮音性のある床材(リノリウム)が敷かれている。一見ウッドデッキに見えるが軍艦の場合は爆撃された際に燃えたり破片が刺さって危険だから木は使わずコルク等を樹脂化した床材(リノリウム)を貼り、金属の止め具が横に線状に打ってある。


 【止め具の金色はマスキングして塗ったが漏れた】


リノリウムの色は赤茶色と、動力付ボート(内火艇)や手漕ぎボート(カッター)の内底に塗るベージュ色(バフ)と白を混ぜて作る。「リノリウム止めは戦艦や巡洋艦は真鍮だが駆逐艦はブリキ」との資料もあった。まあ退色や錆も考慮し金色で塗ってからウェザリング(風化処理)で汚すとしよう。


主砲や機銃や魚雷は見れば分かるが対潜兵器の爆雷の装備が分かり難い。爆雷投下軌条は円筒形の爆雷を自重で転がして艦尾から投下し、爆雷投射器はY字型をしており左右舷の方向に向け空中に発射する。釣り竿状の装置は爆雷を吊るして運ぶらしい。これらは旧海軍の動画(*2)で漸く理解できた。

 【艦尾装備品、左:1/350モデル、右:1/700モデル】

また艦首や艦尾にリール状の装備が複数ある。これは停泊や曳航の舫(もやい)だ。映画「ゴジラ-1.0」でゴジラを引き揚げる際に民間船にも引っ張ってもらうために雪風艦長が「舫(もやい)取れー!」と下命するシーンがあった。舫には鋼線と麻線があり後者は水に浮きスクリューに巻き込まれない。
 【右舷ベランダ上にはマッチ棒を刻んだ補修用角材】

あとはひたすら部品を組み立てては接着するのだが、とにかく部品が小さい!ピンセットでつまむがパチッと何処かに飛んで行き幾つか行方不明となった。またメタル(金属)パーツはプラスチック用ボンドが効かないので瞬間接着剤を爪楊枝で付けるのだが楊枝が太過ぎて先を削って使う始末である。

オオゴシ講師に教わった(*3)ウェザリング(風化)塗装も施して、両モデルともなんとか組立てた。1/350モデルは船底まで作り百均で買った木製トレイに載せ、同じく百均で見つけた丁度良い大きさのケースに収めた。さあ、あとは、いよいよ1/700モデル用の海洋ジオラマ作りを残すのみである!

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*1:本件の経緯は下記ご参照。
奇跡ノ駆逐艦雪風構想二着手ス | Saigottimoのブログ
駆逐艦“雪風”ノ製作構想決定ス | Saigottimoのブログ
*2[日本ニュース] 対潜水艦戦←開始約3分40秒頃に九四式爆雷投射器と爆雷装填台が登場。因みに九四式とは皇紀2594年(昭和9年)式の意で皇紀2600年(昭和15年)式の艦上戦闘機が“零戦(れいせん)“。映画「ゴジラ-1.0」でも(“ゼロ戦”ではなく)ちゃんと“れいせん“と呼んでいた。
*3:プラモデル講座とオオゴシ講師については下記ご参照。
シニア向プラモデル講座発表会 | Saigottimoのブログ
オオゴシトモエ「今日もHOBBY日和」

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