先日ようやくミレニアムファルコンのプラモデルを完成させて(*1)ホッと一息ついていたら、またも長男から誕生祝いにプラモデルを貰った。今度は1/350スケールの大型艦船モデル、旧日本帝国海軍の駆逐艦“雪風”だ。「先日のゴジラの映画に出て来たし、オヤジは昔から“雪風”の話してたよな


う~ん、確かに。山崎貴監督は軍オタらしく「ゴジラ-1.0」では武装解除した駆逐艦が一時的に米軍から返還され、元雪風艦長が指揮を執り海神(わだつみ)作戦でゴジラと戦った。そして史実上でも、この“雪風”は太平洋戦争で唯一ほぼ無傷で生き残った“奇跡の駆逐艦“として伝説となっている(*2)。


“雪風”は太平洋戦争開戦直後から戦艦大和が轟沈して海軍が事実上壊滅した“天一号作戦”までの主要海戦にことごとく参画し、数々の戦果を挙げつつ生還し続けた。また自ら生還するのみならず僚艦や敵艦の生存者も多数救出し、戦後は復員輸送船として1万3千人以上の邦人の引揚げにも貢献した。

“雪風”を狙った魚雷はことごとく船底を通過し、命中した2発のロケット弾はいずれも不発弾だったという強運ぶりは戦勝国にも轟く。補償艦として米英中ソが何れも切望し抽選で中華民国が獲得、“丹陽”と名を変え同国の旗艦となり、竣工から30年後(1970年)に解体されるまで活躍したという。

「いつ作るんだよ?早く見せてくれよ」と迫る長男を制し「待て待て、まずは“海戦“や“軍艦“や“時代背景“についての勉強と模型製作の構想から入るから、完成までには1年以上かかると思ってくれよ」と私は言った。これは決して勿体ぶったり大袈裟に言ったりしている訳ではない。

ミレニアムファルコンの時もそうだがプラモデルを製作する上ではその世界観や基礎知識が必要だ。そうしないと部品の彩色等にリアリティを持たせる事ができない。だから実在した“雪風”の装備品の機能や変遷、そして旧日本海軍や駆逐艦についてももっと勉強しないといけないと思っている。

  【上:フルハル、下:ウォーターライン、箱絵より】
そして艦船模型の場合は、船底まで作ってスタンドに飾る(フルハル)か、海上での航行状態で見せる(ウォーターライン)か、という選択問題がある。後者の場合は海や航走波の表現も含めた“海洋ジオラマ“まで作る必要があるので、どう仕上げるかという構想が極めて重要なのである。

今回は全長30cm超の1/350モデルだからスクリューまで見えるフルハルの方が迫力もありそうな気がするが“海洋ジオラマ“製作も魅力的だ。ただ私は「何事も本格的にやらない」がモットーだから、海洋ジオラマを作るとしても専用素材等は使わず購入する物も殆ど百均だけで済ませるつもりである。
【↓海洋ジオラマ事例、青島社のコンテスト作品より】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
*1:先日の展示会については下記ご参照。

シニア向プラモデル講座発表会 | Saigottimoのブログ

*2雪風の史実や逸話はwikipedeiaに詳しい。また「駆逐艦雪風」と題した映画(1964年・松竹)も制作されている。

Saigottimo